家づくりコラム家識

(25)「家族と一緒に成長する『シンボルツリー』を植えよう!」

シンボルツリーを植える親子のイラスト

前回は、マイホームを持つことで増える楽しみの一つとしてガーデニングをお勧めしましたが、今回は、住まいの顔となる1本の木、“シンボルツリーを植えましょう”というご提案です。マイホームの夢がかなった記念樹として、住まいの外観を引き立てるエクステリアとして、そして家族と共に成長するという点でも1本の木はさまざまな存在感を示してくれることでしょう。

1.シンボルツリーを植えるメリット

◎外観を、住まい全体をより魅力的に

住まいには和風、洋風、カントリー風など、さまざまなスタイルがありますが、シンボルツリーは、その外観に表情を添えてよりオシャレな印象に仕上げてくれます。それだけに、シンボルツリーを選ぶ際には建物との調和、バランスがとても大事です。

◎程よい目隠し効果を発揮

シンボルツリーを植えることで外から住宅内部や敷地内が見えにくくなるという目隠し効果が期待できます。特に、人通りの多い街中や玄関が道路から近いお宅ではプライバシー保護や防犯対策としても有効です。また、似たような建物が並ぶ住宅街などではトレードマークとして個性を主張してくれます。

◎1本でも絵になる、癒される

シンボルツリーは、基本的には1本の木。敷地が狭いからと庭を設けられない場合でも小さなスペースさえあれば植栽が可能というわけです。玄関先の小さな土面が貴重なグリーンスペースとなって住宅周りの雰囲気を一変させ、家族や訪れる人々に癒しを提供してくれます。

◎グリーンカーテンや風除けにも

シンボルツリーが広げる枝葉が強い日差しを遮ってグリーンカーテンの役割を果たし、室内の居心地をよくしてくれることもあります。また、風除けになったり、耐火性のある樹木であれば火災の延焼防止に役立ったり、植える場所や樹種によってはさまざまな機能性も発揮します。

2.シンボルツリー選びのポイント

文字通りマイホームの象徴として、長年にわたって共に時を刻んでいくことになるシンボルツリーには、建物との調和に加えて家族の好みや思いにもかなった樹木を選びたいものです。まず、大きな選択肢としては、常緑樹にするか、落葉樹にするかに大別されます。次に、高木か低木かなど、その場所にあった特徴をもつ樹木を選びましょう。

◎常緑樹のメリット、デメリット

冬でも葉が落ちない常緑樹はシンボルとしての存在感も大きく、一年を通して目隠し効果を発揮してくれます。ただ、常緑樹といってもまったく落葉しないわけではなく、葉は一定の期間で落葉し、次々と新芽を出すことで常に葉が茂っている状態を保てるのです。一年を通して常に少しずつ落葉していくため、こまめな落ち葉の手入れが必要になります。

◎落葉樹のメリット、デメリット

春の芽吹き、夏の青葉、秋には紅葉、そして冬にはすべての葉を落とす落葉樹は、季節ごとに表情を変え、四季の移ろいを存分に感じさせてくれる点が大きな魅力です。しかも、夏は強い日差しを遮って涼を呼び、冬には葉を落とすことで貴重な日差しを遮りません。一年を通して過ごしやすい環境をつくってくれるのです。ただし、落葉時の掃除の大変さや冬場は目隠し効果が薄れることも覚悟して選びましょう。

◎高木と低木、どっちにしよう

家のシンボルとなる木ですから、やはり上へ上へと伸びる高木を選ぶケースが多いようですが、庭の規模や雰囲気によっては低木も選択肢の一つと言えます。2〜3m以上には大きくならない低木は、インパクトには少々欠けますが管理がラクというメリットもあります。一方、高木は大きく成長すれば家のシンボルとして見応えのある景色をつくり出してくれます。

3.おすすめの樹種あれこれ

●ハナミズキ(落葉樹/高木)

春、サクラからバトンを引き継ぐように開花するハナミズキは、白や赤、ピンクの可憐な花をつけ、夏には瑞々しい青葉、秋には赤い実や紅葉を楽しませてくれます。丈夫で育てやすく、剪定などの手間もあまりかからないのでシンボルツリーとしても最適な庭木です。

●ソヨゴ(常緑樹/中高木)

「風に葉がそよそよと音を立ててそよぐ」ことからその名がついたとされる人気の庭木です。生育が緩やかで手入れがラクな上、耐陰性・耐寒性に優れているのでシンボルツリーとしてもおすすめです。夏に白い花を咲かせ、秋にはサクランボ状の赤い実をつけるので変化が楽しめます。樹形が自然に整いやすく、ナチュラルな雰囲気で和風洋風、いずれの住宅にもマッチする点も魅力です。

●キンモクセイ(常緑樹/高木)

秋にオレンジ色の可憐な花を咲かせて甘い香りを放つ人気の芳香花木です。光沢のある濃いグリーンの葉は密度が高いので目隠しにも向いています。病害虫の被害も少なく扱いやすい樹木ですが、放っておくと大きくなるので数年に一度は剪定が必要です。

●イロハモミジ(落葉樹/小高木〜高木)

和風庭園に映えるシンボルツリーの代表格といえばイロハモミジでしょう。紅葉のイメージが強いですが、新緑から紅葉の季節まで四季折々に多彩な表情を見せてくれます。和風住宅との相性の良さは誰もが知るところですが、意外にもコンクリートの建物やモダンなデザイン住宅等との相性も悪くありません。柔らかな枝葉の優し気な存在感で冷たい印象を和らげてくれるからです。

●ジンチョウゲ(常緑樹/低木)

夏のクチナシ、秋のキンモクセイと並んで三大香木の一つとされているのが春のジンチョウゲ。ともに良い香りでそれぞれ季節の到来を告げてくれます。ジンチョウゲは樹高が0.5〜1.5mほどで管理しやすいことから初心者にもおすすめです。春先に咲く可愛らしい手まり状の花やこんもりとした丸形の樹形は和風庭園にも洋風住宅にもしっくり馴染みます。

<まとめ>

シンボルツリーにふさわしい樹種はまだまだたくさんあります。敷地の広さや陽当たり、外観との相性、周辺との調和などを考慮し、プロのアドバイスも受けた上で選ぶといいでしょう。住宅街では多種多様なシンボルツリーを目にすることできますから散歩気分で眺めて参考にしてみてはいかがでしょうか。