家を建てる際の要望としてよく聞かれるのが「収納はできるだけ多く」と言う声。確かに、収納スペースが少ないと掃除が大変だし、生活空間が雑然となりがちです。でも、単に収納が多いだけでは安心とは言えません。どこに、どんな収納を用意するかがポイントになります。そこで今回は、収納の適材適所を大研究。限られた予算とスペースの中で、どこにどんな収納をどれくらいの広さで確保すべきか、誰もが片付けやすい収納とは。生活動線をイメージしながらエリアごとの収納プランを考えてみましょう。
住まいの顔となる玄関、来客にはスッキリとした印象を与えたいものです。少し広めのシューズクロークを設けることで、家族の靴はもちろん、コートや雨具、ベビーカーやゴルフ用具、園芸用品なども収納することができてとても重宝します。外から帰ってきてすぐに仕舞えて、出かける前にサッと持ち出せる、理にかなった合理的な収納スペースと言えそうです。扉を付ければより整然とした印象になりますが、アーチ壁などで仕切って見せる収納にしても玄関のきれいはキープできます。
リビングは、家族がゆったりくつろぎ、時にはお客様をもてなす大切な場所。みんなが集まる場所だからこそ、雑誌や本、リモコン、おもちゃなどモノが散らかりがちです。そこで、リビングにはテレビボードも兼ねた造作家具の壁面収納がおすすめ。壁全面を収納にすることで、収納力はたっぷりなのにスッキリ見えて部屋全体に統一感も生まれます。または、0.25畳~0.5畳の小さめクローゼットがあるだけでも掃除機等の収納や急な来客時のサッと片づけにとても便利。さらに、リビング階段であれば階段下、リビング側のキッチンカウンター下なども活用して収納上手になりましょう。
最近は、キッチン奥や隣に食品や調理器具などを収納できるパントリー(食品庫)を設ける住まいが増えています。キッチンをよりスッキリさせるために冷蔵庫や炊飯器などの電化製品まで収納するケースも少なくありません。その場合は、扉は付けずにアーチ壁などで飾ってキッチンとの行き来をよりスムーズに。キッチン周りがスッキリすると調理も楽しくなります。また、玄関から直行できる場所や勝手口の近くにパントリーがあるとさらに便利です。
寝室にウォークインクローゼットがあると洋服はもちろん、バッグや帽子、アクセサリーなどもまとめて収納できるのでお出掛け前のコーディネートもしやすくなります。また、十分なスペースを確保することができれば、衣替えも手前と奥とで順序を入れ替えるだけで手間がかかりません。ただし、ただ無造作に収納してしまうと煩雑になってしまうので棚やバスケット、フック等をセンスよく活用してスッキリをキープしましょう。
トイレは手洗いカウンター下や壁面を活用し、トイレットペーパーや掃除用具等を収納。洗面脱衣所にも棚や引き出しを設けてタオルや石けん、シャンプーの買い置きを収納するなど、“使うものは使う場所に収納する”が片づけ上手の鉄則のようです。
季節外れの衣類や冷暖房用品、雛人形などの行事品、思い出の品など、日常的には出し入れしないもの収納には、まとめてたっぷりしまえる小屋裏収納が便利です。出し入れしにくい場所では無用の長物になってしまうので設置場所も重要。使用頻度の低いものから順に奥から手前にと、収納の仕方にもひと工夫。奥行きがあると暗くなりがちなので照明をつけておくといいでしょう。