東日本大震災

寄り添い願う、共に歩む復興 東日本大震災から9年、県内各地で追悼

2020年03月12日
 経験のない揺れと津波、原発事故を引き起こした東日本大震災から9年となった11日、県内各地で鎮魂と復興の祈りがささげられた。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、行事は規模縮小、例年と異なる形式を余儀なくされたが、被災者に寄り添い続ける思いが変わることはない。「心の復興が一日も早く訪れるように」。県民は被災県の隣人として、願い続けている。そして被災者の思いは、あの日から変わることはない。

 山形市の文翔館では、夕方からキャンドルの点灯が行われた。会場は温かい炎の明かりで彩られ、鎮魂の祈りが広がった。

 蜜ろうで作ったキャンドル108個を用意し、「3・11」の形に並べた。吉村美栄子知事をはじめ県職員らが集まり、午後5時半に点灯。日が沈み、オレンジ色の光に包まれる中、訪れた人たちは静かに祈りをささげた。山形西高2年槙葵さん(17)は「復興は進んでいると思うけど、みんなが震災のことを忘れないか心配。復興の行事を続けていくことに意味がある」と揺れる炎を見つめていた。

キャンドルに灯をともし、犠牲者の追悼と東北の復興を祈願した=山形市・文翔館
キャンドルに灯をともし、犠牲者の追悼と東北の復興を祈願した=山形市・文翔館
 山形市役所では追悼・復興祈願式が中止となり、発生時刻の午後2時46分、黙とうを呼び掛ける市庁舎全館放送が流れた。職員は仕事の手を止めて姿勢を正し、来庁者も目を閉じて哀悼の意をささげた。震災直後、応急給水班として宮城県へ派遣された市職員大築義己さん(44)は「街の復興だけでなく、被災者が気持ちの面で全てを乗り越える日が早く訪れてほしい。今日だけでなくいつも願っている」と話した。

発生時刻に起立し、黙とうをささげる市職員=山形市役所
発生時刻に起立し、黙とうをささげる市職員=山形市役所
 県庁1階ロビーには「復興へのメッセージボード」が設置された。来庁者や県職員が9年間の思いを言葉につづり、「復興に向けて一歩一歩進んでいきましょう」「思い出したくない。でも忘れてはいけない」などとメッセージを掲げた。県職員の古山遥さん(24)は曽祖母の家が宮城県気仙沼市にあったといい、「当時の光景を思い返すと今でも泣きそうになる。震災を乗り越え、より活気づいてほしい」と願った。ボードは13日まで設置する。

来庁者らが震災復興への思いをメッセージに込めた=県庁
来庁者らが震災復興への思いをメッセージに込めた=県庁
 鶴岡市の鶴岡アートフォーラムでは、市民らの手作りキャンドルをともす「9年目のキャンドルナイト」が開かれた。規模を縮小したが、インターネットの生中継に初めて取り組んだ。

 発生時間に合わせ、来場者など約20人が黙とう。紙コップにメッセージを書くキャンドル作りも行った。約1600個を用意し「2020 3・11■ つるおかより」の形に並べ、午後6時ごろから点灯。館内では有志が演奏を行い、動画配信した。実行委員会の菊池俊一委員長は「ネット中継で多くの人と思いが共有できれば」と話した。
■=白抜きのハート

ハートの形などにキャンドルが並べられ、温かな光で会場を彩った=鶴岡市・鶴岡アートフォーラム
ハートの形などにキャンドルが並べられ、温かな光で会場を彩った=鶴岡市・鶴岡アートフォーラム
 酒田市地域福祉センターでは、約600個のキャンドルがともされた。中止となった「9年目のキャンドルナイトin中町」で使う予定だったキャンドルや絵灯籠を活用。同市の生涯学習施設「里仁館」や東北公益文科大などで構成する実行委の有志約30人が参加し、キャンドルがともされると「未来」「キズナ」の文字が夕闇に浮かび上がった。同大の災害復興支援団体「チームmoreE(モアイ)」副代表の2年竹屋翼さん(20)は「被災地の人たちに『忘れていないよ、頑張ろう』という思いを届けられたと思う」と話した。

夕闇が迫る中、キャンドルに明かりをともす参加者=酒田市地域福祉センター
夕闇が迫る中、キャンドルに明かりをともす参加者=酒田市地域福祉センター
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