深い悲しみ、今も変わらず 東日本大震災から8年
2019年03月12日
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慰霊塔と観音像の前で手を合わせる家族。津波で失った大切な人の冥福を祈った=11日午前11時3分、仙台市若林区荒浜
仙台市青葉区の主婦木村英子さん(61)はこの海で夫の母と妹を亡くし「この8年、深い悲しみはずっと変わらない」と話した。中学3年時に同級生を失った23歳の女性2人は午後2時46分に防潮堤に立ち、海を見つめながら冥福を祈った。「3・11」は卒業式の日だった。一緒に大人になることができなかった友の顔を思い出し、声を上げて泣いた。「優しくしてくれてありがとうと伝えた。ただただ生きていてほしかった」と声を詰まらせた。 荒浜の家を流された早坂勝良さん(78)は多くの友人も失った。「震災の悲しみを語り継ぎ、古里を再生することが生き残った者の務め」と力を込めて語った。悲しみに耐えて一歩一歩前へ、その思いが慰霊塔を包んだ。
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