寄り添う-被災地の本県ボランティア(2) 山形ボランティア隊代表・本田光太郎さん(山形)
2011年09月11日
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被災者のニーズを丁寧に聴きながら、地道にボランティア活動を続ける本田光太郎さん(右)=石巻市中浦1丁目
自分にできることを精いっぱいやろう。そう心に決め、仙台市宮城野区の災害ボランティアセンターに向かったが、震災直後で志望者が殺到。センターの存在が被災者に浸透していなかったこともあり、「何もすることがなかった」。センターで知り合った仲間と話し合い、直接リサーチしに行くことにした。「お寺やスーパーの屋上など、小さな避難所を訪ね歩き現状を把握、支援物資が届くように行政に伝えた」 沿岸部を中心に4日間回って痛感したのは大量のボランティアが必要だということ。隣県なら日帰りで支援に行ける。山形に戻ってみんなに呼び掛けよう。誰もが参加できるボランティアバスの運行を企画した。 7月に山形県社会福祉協議会から相談員として採用され、被災者のニーズ把握に努めながらボランティアバスの運行を担当する。以前はがれきの撤去要請が多かったが、最近は庭の枯れ枝の除去や倉庫の片付けなどの依頼が増えてきたという。「被害を受けた住民たちが無理をしないで生活を立て直すために、自分たちの力をぜひ使ってほしい」 震災後、数え切れないほど通っている石巻市の道路は狭い路地裏まで頭に入っている。ボランティアバスが入る前のニーズ調査では、携帯電話で「間もなくお邪魔します」と告げた上で、支援予定宅を次々と巡回。「山形ボランティア隊の本田です!」。玄関口では笑顔で住民が迎えてくれる。「物資をもらったりヘドロを取り除いてもらったり。本当にありがたかった」。同市中浦1丁目の長沢弘さん(68)れい子さん(62)夫妻は口をそろえる。 「政策を決める偉い人は被災地をちょっと見ただけで帰ってしまう。復興支援のためと称した高速道路の無料化も渋滞が発生するのは目に見えていた」。一念発起し今年夏にオープンするはずだった「子供向けカフェ」の夢はしばらくお預けだ。「支援策から漏れてしまう人の声を丁寧にすくい上げ、必要とされる限り山形からボランティアを送り続けたい」 (仙台支社・松田直樹)
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