東根の釣り一行、残る1人も無事 宮城から生還、家族と再会
2011年03月17日
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妻裕子さん(右)、長女愛弓さんと再会した深瀬弘茂さん=16日午後9時31分、山形市・JR山形駅
「どんだけ心配したと思ってるのよ」。16日午後9時半ごろ、山形市のJR山形駅に駆けつけ、泣きじゃくる妻裕子さん(43)と長女愛弓さん(19)の肩をきつく抱いた。親戚や友人約30人が待つ東根市の新田公民館で出迎えられた深瀬さんは、震える声で「かあちゃんごめん」「皆さんご心配かけてすみませんでした」と深々と頭を下げた。 深瀬さんらは11日午後1時半ごろ、1人が家族の携帯電話に「石巻に着いた」とメールを送った後、連絡が取れなくなった。石巻市の雄勝港付近で釣りをしようとしたが悪天候で断念。その後、海岸沿いを女川町方面に南下中、地震に見舞われた。地割れや落石の危険を感じ、市街地に移動したところで、津波にのみ込まれた。 車から脱出したがはぐれ、翌12日に深瀬さんを除く3人は現場付近で合流。14日に無事が確認され、帰宅している。 深瀬さんは「ものすごい勢いで流されたが、地元住民から差し出された物干しざおにつかまり、助かった」「連絡を取りたくても手段がなかった」と津波に巻き込まれた際の状況を語った。 母親(70)は「最初の電話がかかってきた時、みんなで抱き合って喜んだ。命があって本当に良かった」と言葉を詰まらせた。 東日本大震災 記事一覧
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