渋谷建設(本社山形市、澁谷豪社長)は、昭和から「めぐまれた自然と産業との調和をめざして」を掲げ、県内で数多くの公共事業を手掛けてきました。創業から110年。携わった数多くの社会資本は、人々の安全・安心な暮らしを守り、古里の発展に寄与しています。国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)の理念にも合致する同社の取り組みを紹介します。
自然と産業の調和を実践、県民の安全・安心を守る
渋谷建設は1910(明治43)年の創業以来、土木の分野を中心に数多くの工事を手掛けています。その時々の最新の技術や機械類などを導入し、道路や橋、トンネル、上下水道施設、空港やスポーツ施設などの主要事業に携わってきました。施工した工事はどれも、本県の発展や安全・安心な暮らしを支える重要な役割を果たしています。
また、治水やダム築造などの事業に携わることで、災害に負けない県土づくりにも携わってきました。冬場の道路除雪も、生活と経済活動を守る欠かせない役割です。
大災害が発生し、多くの被害が出た時、真っ先に現場に駆け付けて対応に当たるのはわれわれ建設業です。2011年3月11日、東日本大震災が発生した際、渋谷建設の社員はすぐさま宮城県に向かい、道路を通れるようにする「啓開」や、津波で浸水した場所の排水作業に携わりました。2020年7月末に発生した豪雨の際も、浸水や氾濫が予想される現場で社員が警戒し、被害が出た場所ではすぐさま対応に当たりました。
■環境への配慮
今は当たり前のことですが、業界内にそうした意識が希薄だった高度成長期から、いち早く渋谷建設は環境に配慮する考え方を取り入れてきました。工事現場から大量に出るコンクリートやアスファルトの廃材を再活用するリサイクル合材プラントなどを通し、「自然と産業の調和」を実践しています。
周年事業―広がれ、環境保全の輪
「めぐまれた自然と産業の調和」を多くの人たちと共有するための事業を、創業の節目となる年に実施しています。芸術の振興を通し、「質の高い教育をみんなに」の目標にも貢献しています。
創業90周年記念事業「『めだかのバス』の絵コンクール」では、入賞したメダカの絵を路線バスの車体に描き、実際に運行しました。
100周年記念事業は「ふるさとの水辺絵画コンクール」。水辺の風景を描いた児童たちの絵画を多数展示しました。
2019年10月には、110周年記念事業として、東北芸術工科大学とともに山形美術館で展覧会「最上川。ここからはじまる山形」を開催。本県と最上川との関わりを描いた作品の数々が注目を集めました。
【「自然と産業の調和」めざす足跡】
■道路や橋―経済成長と生活の基盤
写真は1920年ごろ、中山町の柳町橋で撮影されたものです。創業者・澁谷長三郎氏や、まだ小さかった2代目社長・司氏も写っています。創業から今に至るまで、道路や橋の建設を通して経済成長の基盤をつくってきました。
■厳しい風土との共存を図る
1928(昭和3)年、最上川の流れを緩やかにする工事の様子。山形県には平地が少なく、冬は豪雪に見舞われるなど厳しい風土的条件があります。豊かな自然と安全・安心な生活基盤整備の両立を目指しながら、「住み続けられるまちづくり」に携わっています。
■きれいな水と県土へ推進着々
上下水道の整備が進み、私たちは衛生的な環境で生活できるようになりました。水資源の効率的な利用、環境に負荷を与えない給排水の維持に向け、老朽化した設備の更新などに今後も取り組んでいきます。