撮らねばならぬ。シャッターを切りまくらねばならぬ

写真家 土門拳

 土門(酒田市出身)は1957年7月初めて広島市に入り、原爆投下の惨状を目の当たりにした。東京の自宅と広島を往復し、写真集「ヒロシマ」を翌年発表した。取材記録はノートにしたためられ「この書を広島四十二万の全原爆犠牲者に捧(ささ)ぐ」などと、万年筆で書き上げた青い軌跡が残されている。土門は、広島のリアリズムを写真に捉えた。標記の前にある言葉は「今、ぼくは、広島で、二度と繰り返しのきかぬ実存そのものと対決しているのだ」。

(2009年8月9日付朝刊)

2020/7/27 07:50
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戦後75年、言葉を刻む
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