どの写真を見ても、いつもお父さんが明子を抱いている

山形市 斎藤愛子さん

 斎藤さんは、夫芳市さんと同じ職場で出会った。2人が婚約した1939年、芳市さんは出征。帰還後の42年に入籍し、翌年ひとり娘の明子さんを授かった。芳市さんは44年に2度目の召集を受けた。家族3人の生活は、あまりにも短いものだった。芳市さんは戦地に向かう列車の汽笛が鳴るまで、生後10カ月の娘を抱いて離さなかった。45年7月、フィリピンのルソン島で戦死。遺骨は戻らず、夫の死から16年後に墓を建てた。

(2017年8月12日付朝刊、当時99歳)

2020/7/2 07:55
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戦後75年、言葉を刻む
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