絶対、お骨箱は開けるな。罰当たっぞ

山形市 大森アキさん

 大森さんの父原田利作さんはフィリピンのルソン島で戦死した。終戦から3年後、小さな骨箱が届き、訃報に触れた。箱を開けないよう母から言われたが、父に会えると思い、兄と一緒に開けた。中には名札とせんべい2枚が入っているだけだった。きょうだいの秘密にした。立派な墓はあるが、遺骨はない。「父の魂はフィリピンにある気がする」。幾度も現地を訪れ、父が最期を迎えたと思われる場所で祈りをささげた。

(2015年8月13日付朝刊、当時76歳)

2020/6/8 07:55
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戦後75年、言葉を刻む
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