山形にフル規格新幹線を

交流人口(4) 東北・北海道新たな圏域

2017年08月04日
山形市と仙台空港間の直通バス運行再開など、東北・北海道圏を周遊する上での利便性向上が図られている=今年4月、宮城県・同空港
山形市と仙台空港間の直通バス運行再開など、東北・北海道圏を周遊する上での利便性向上が図られている=今年4月、宮城県・同空港
 東北・北海道圏は魅力的な圏域の形成に向け、具体的な可能性を有するエリアの一つだ。北海道新幹線開業によって新たにできた人の流れ、国管理空港として初の民営化を果たした仙台空港の将来性―。国内外との間の交流人口拡大を実現する上で、こうしたメリットを生かさない手はない。

 本県に目を向けると、南東北で唯一羽田空港との定期便を有する2空港、仙台空港と内陸・庄内を結ぶ高速バスネットワーク、着々と整備が進む東北中央自動車道など、団体・個人旅行の両面において、誘客増に向けた好材料が複数、見受けられる。

 だが、人口減少が今後も続くと見込まれる中では、さらに踏み込んだ交流人口の拡大策が必要になってくる。その際に有力な選択肢の一つとして挙げられるのが、大量輸送と安定性を強みとするフル規格新幹線の整備だ。

 東京―新函館北斗間を約4時間で結ぶ北海道新幹線の開業から、今年3月で1年となった。開業後1年のデータで注目されるのは、出発地別の乗車人員数だ。北海道新幹線推進室のまとめでは、2016年4~6月の乗車人員は前年比195%の1日7200人。北東北からの乗客数が実人員で1日当たり800人増となったのに加え、南東北(前年比367%)や関東(同343%)からの大幅な伸びが際立つ。

 このデータが示す通り、北海道新幹線は東北・関東と北海道との間に、新たな人の動きを創出した。仙台―新函館北斗間の所要時間は2時間半余りであり、現在は国内10路線、国際4路線が就航する仙台空港を入り口に、東北・北海道の周遊の流れができることも期待できる。同空港の16年度の国際線利用者は前年度から4割増の22万人。国内線も含めた利用者は約5万人増の316万人となっており、ポテンシャルは十分だ。

 仙台空港の民営化に合わせ、本県では同空港とのアクセス強化を図る動きが民間レベルで広がった。庄内交通(鶴岡市)は4月1日から酒田・鶴岡との間で1日2往復、山交バス(山形市)と宮城交通(仙台市)は同21日からJR山形駅との間で1日4往復のアクセスバスの運行を開始。東北のハブ空港になり得る可能性を見込み、利便性向上に加えて、インバウンド(海外からの旅行)を取り込もうとの狙いを鮮明にしている。

 北海道新幹線の開業が、函館を中心とする道南地域に大きな経済効果をもたらしたように、新たなフル規格新幹線の整備は従来にはなかった人の流れをつくり出す。本県を沿線とする羽越新幹線(富山―青森)、奥羽新幹線(福島―秋田)の整備は、東北・北海道に北陸までを加えたエリアの振興に向けて大きな力になると考えられる。

 航空便や高速道路網に、新幹線ネットワークが加われれば、外国人旅行者をはじめとする多くの人たちに周遊のための多様な選択肢を示すことができる。東北・北海道圏はもとより、訪日客のリピーターを増やすためにも、高速交通網の整備促進は欠かすことができない条件だ。

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