奥羽、羽越両新幹線のフル規格整備を目指し、県奥羽・羽越新幹線整備実現同盟など4同盟組織は11日、山形市のホテルメトロポリタン山形でシンポジウム「奥羽・羽越新幹線の早期実現に向けて」を開催した。山形、秋田、福島、新潟4県の知事、副知事がパネリストとして両新幹線の必要性や開通後の将来像などを語り合い、実現に向けた連携強化の必要性で一致。沿線自治体の機運醸成を図り、整備促進運動を推進することを確認した。
主催は、行政機関と経済界などによる県の実現同盟のほか、奥羽新幹線建設促進同盟会、羽越新幹線建設促進同盟会、県鉄道利用・整備強化促進期成同盟会の4団体。両新幹線沿線自治体から約240人が参加した。
吉村美栄子山形、佐竹敬久秋田の両県知事と畠利行福島、寺田吉道新潟の両県副知事によるパネルディスカッションで、吉村氏は日本海側の社会資本整備の遅れを指摘し、地方創生や太平洋側の補完機能としての有用性を説いた。佐竹氏は整備手法や地域ビジョンを共有して政府に働き掛ける「東北方式」を提案。畠、寺田両氏は交流人口の拡大や周遊ルートの多様化などにつながるとし、連携強化を呼び掛けた。
波床(はとこ)正敏大阪産業大教授が「奥羽・羽越新幹線の意義を考える」と題して基調講演を行った。波床氏は、両新幹線が災害発生時のリスク分散や東北と関西の密接化につながるとし、フル規格のほかに、山岳区間の課題解消を優先する段階的整備手法も紹介した。
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