(213)お互い笑顔、人生賛歌~渡辺えりの ちょっとブレーク|山形新聞

渡辺えりの ちょっとブレーク

(213)お互い笑顔、人生賛歌

2023/2/28 08:55

 京都・南座、東京・新橋演舞場での舞台「老後の資金がありません」の再演公演が、19日に無事に終了した。コロナ禍で、東京まで見に来られなかった友人や親戚の方たちも大勢いらしていただき、久しぶりの生の演劇を堪能された様子だった。

 老後の資金は私たちにとって深刻な問題だが、だからと言って悩み惑い、自分を追い込むことはせず、家族や友人たちと交流しながら前向きに夢を見て、笑って過ごしたいという願いを込めた人生賛歌の作品でもあった。

 介護でつらい思いをしているお客さまからも「おかげさまで生きる希望が湧いてきた」との感想をいただき、苦しく大変な公演だったが本当にやれて良かったと今思っている。

 歌って踊って出ずっぱりの舞台だったので、心身ともに疲れ切って、同時に他の仕事もやれる状況ではなかった。しかし、翌日には大阪府枚方市で「平和を創る」という演題の講演をやらせていただき、その翌日は震災の当時と今の心境を語り合う生配信の仕事もさせていただいた。

 元気な時に、やらなくてはならないと思って受けた仕事だが、長い公演の後だったので本当に疲れ切ってしまい、「最後までできないのでは?」と心配だったが、熱心に耳を傾けてくれるお客さまの顔を見ているうちに元気が出てくる。震災の残酷な記憶も、当時の東北の皆さまの優しく強い支え合う精神を思い返すと元気になる。自分という人間は、やっぱり人間との交流が好きで、人間の笑顔のために働いているとうれしい性分なんだとつくづく思った。

 3月5日に急きょ、山形市の東ソーアリーナで「山新3P賞平和賞受賞記念コンサート」を企画してしまったが、ウクライナ侵攻のやまない今にふさわしいコンサートになるだろうと自負している。山形の皆さまの笑顔を受け止めて頑張りたい。

 中身は深刻な反戦ではなく、人を支えるのはお互いの笑顔なのだということを再確認できるコンサートにしたいと考えている。私が日本語の歌詞を付けたピアソラの革命の歌も歌うが、劇中歌をちょっとした芝居仕立てで作る一幕もあり、山形市出身の俳優海出彩菜さんもコーラスとダンスで参加する。昔、「テツandトモ」の石沢智幸君が参加した舞台を思い出している。

 cobaさんと作った歌「ひまわりの種をポケットに」は、私が山形の村木沢で作った歌詞だ。「ロコへのバラード」は「みんな違ってみんないい」という金子みすゞの詩のような、私の好きなタンゴの曲。ぜひいらしていただきたい。

 3月4日は、いとこに依頼された高畠町での講演「平和を作り続ける」もあり、2日続けて山形の皆さまの笑顔が見られる。

 弟夫婦をはじめ小中高の同級生、演劇部、フォークロックバンドの仲間たちが宣伝に回ってくださり、大いに感謝している。68歳。古希まで後2年。みんなで支え合って「平和」をつくり続けていきたい。

(俳優・劇作家、山形市出身)

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