渡辺えりの ちょっとブレーク

(100)希望を胸に

2013/7/31 15:28

 NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の私の出演部分の撮影が終了し、22日にスタッフから花束をいただいた。

 最近踊りを踊るシーンが多く、筋肉痛がひどくなってしまった。年を取ると翌日ではなく3日後くらいに出るので、原因を探るのに時間がかかってしまう。大物プロデューサー荒巻太一役の古田新太さんは若い頃、世界的なバレエダンサーのルドルフ・ヌレエフのバックダンサーをやったこともあるくらい、クラシックバレエの基礎のある役者。収録中は、自分が出演するシーンではないのに鏡の前でずっと指導してもらった。親切な方である。

 8月1日初演の書き下ろし新作「あかい壁の家」の稽古や打ち合わせを毎日深夜まで続けている。24日の朝方突然足がつって動けなくなった。机の前で同じ姿勢で戯曲を書いていたため太ってしまい、踊りと芝居の稽古で足に負担がかかってしまったのだろう。徹夜で過労でも体重が増えるというのが残念だ。同じ稽古場で、若者たちの体は締まっていくというのに。

 今回は久しぶりに8月19、20の両日、山形市のシベールアリーナでの公演もある。21日に仙台市青年文化センター、25日は岩手県久慈市のアンバーホールでも上演する。

 舞台は宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)と、イタリアのポンペイを繋(つな)ぐ壮大なドラマになっている。都会の暮らしで摩耗した青年が、東日本大震災のため10年ぶりに名取市に帰郷する。そこで、自分の子供の頃からの「夢」を思い出し、自分を見守ってくれていた家族の愛情を感じていく。そして、失ってしまったものの大きさを噛(か)み締めながら未来に向かっていく内容になっている。

 仙台市出身のシンガー・ソングライターでミュージカル俳優でもある中川晃教さんが作曲してくれたテーマ曲も素晴らしい。13年ぶりに舞台に復帰された緑魔子さんからも、ブランクを感じさせない魅力ある演技で引っ張ってもらっている。

 山形から閖上までは車で1時間。避難所や仮設住宅で親しくなった方たちに取材させていただいて、書くことができた作品である。若いオーディションメンバーも含め47人のチーム全員で全国を回る予定である。震災の復興はまだまだだが、希望を胸にできる限りのことをやっていきたい。

 今年は東京での舞台の本番中のため「山形花笠まつり」に参加できないのが残念です。皆さま山形の夏を大いに楽しんで盛り上がってください。舞台、お待ちしています。

(劇作家・女優、山形市出身)

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