渡辺えりの ちょっとブレーク

(106)日本語で世界の歌

2014/1/28 15:18

 東京・六本木スイートベイジルで今月13日に開いたドラマチックコンサートは、おかげさまで2ステージとも完売。お客さまにも喜んでいただき、今までで一番構成も良く見応えもあったとの多くの感想を得た。

 ついついあれもこれもと入れたくなり、ジャンルを超えたごった煮のステージになってしまうのだが、今回は編曲に工夫を凝らした。シャンソン、ミュージカル、劇中歌、タンゴとジャンル別にアレンジを変え、ジャズのバンド、ロックバンド、サクソホンカルテットと演奏者を変えたり合流したりしてお送りしたのが評判になった。

 歌詞も毎回自分で作るが、これがなかなか難しい。今回はタンゴの「アサバーチェ」とシャンソンの「私の回転木馬」に日本語の詩を付けた。原詩は奥が深く、言葉数も多く入っている。日本語だと数を少なくし、しかも詩的なリズムに変えないとメロディーに乗らない。今では差別用語になってしまった言葉も出てきて整理するのが困難だ。今回は作るのに2カ月も費やしてしまった。

 昨年のロックコンサートの時にも、ビートルズやクイーンなどたくさんの曲を大変な苦労して日本語に変えたが、著作権の会社に問い合わせて発覚したことがある。日本語で歌ってはいけない歌が多くあったのだ。ビートルズなどはこれを禁じていた。パティ・スミス「ビコーズ・ザ・ナイト」も禁じられていた。あんなに苦労して作ったのに歌ってはいけなかったのだ。

 クイーンの「チャンピオン」とベット・ミドラーの「ローズ」、そしてジャズのスタンダードナンバー「ジョージア・オン・マイ・マインド」は日本語にした歌詞の直訳を送ってから許可が下りる。「チャンピオン」は未回答。「ローズ」と「ジョージア-」は各10万円で許可が下り、DVDを販売できることになった。昨年の中村勘三郎さんを追悼したロックコンサートを発売しようとしてのことである。許可の下りなかったものは抜いて発売しなければならなくなった。

 シャンソンやタンゴは「日本で歌ってもらえれば嬉(うれ)しい」との発想からあまりお金はかからない。国によって考え方が違うようだ。アメリカとイギリスはきびしい国であった。今後はフランス、イタリア、スペイン、ドイツ、ルーマニア、アルゼンチン、バルト3国、そしてアジアの歌を日本語にして歌うつもりである。もちろん日本のオリジナルも。アメリカやイギリスの「自由」というテーマの歌を歌うのが自由でないとは。今まで知らなかったことが悔やまれる。

 2月11日には静岡県焼津のホテルでのディナーショーがあり、さらに面白いステージにしたいと考えている。

 先日、山形出身の芸能人たちの新年会があった。テツandトモのトモ君、電撃ネットワークの南部(虎弾)ちゃん、ロケット団の三浦(昌朗)さん、アナウンサーの武田祐子さん、グラビアアイドルの橋本マナミちゃん、タレントの佐藤唯ちゃん、歌手の白崎映美さんと私で故郷のことを大いに話して盛り上がった。自分の知ってる山形出身者なのでもっともっといるに違いないが、連絡先の分かるメンバーで今のところは集まっている。今年の山形花笠まつりではまた皆さまに恩返ししたいとみんなで誓い合ったのだった。

(劇作家・女優、山形市出身)

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