渡辺えりの ちょっとブレーク

(130)2月の出来事

2016/2/29 12:46

 今回は「おばこ」のお礼と4月9日と10日に山形のシベールで上演する「わがまま」の事を書くつもりでいたが、愛犬の死を先に書かせていただきたい。

 生後2カ月から育てて一緒に生活してきた愛犬柴犬の「愛子」が2月22日の午後4時ごろに亡くなった。私の主演していた「おばこ」の千秋楽を待っての死であった。17歳と10カ月、数年前から白内障で目も見えず、耳も聞こえず、最近は体も不自由で、歩くこともできず、夜中や朝方に哀(かな)しい声で吠(ほ)え続けていた。2、3日前から声もよく出なくなってしまい、苦しそうだったが、最後まで頭はハッキリしていて、外にトイレに行きたがっていた。

 寝たきりのようになってしまっても、足を動かし、吠えようとしている。歩きたくて走りたくて仕方がない気持ちが伝わってきて、凄(すご)い犬だなとつくづく思っていた。命というものは凄い。人も動物も最後の最後まで生きようと懸命にあがく。17年前に鹿児島に行ったときに見つけた「愛子」という名前の焼酎の原酒を今も飲まずに守り続けているが、「愛子」はもういないのだ。寂しい限りである。車に乗せても、新幹線でも、飛行機に乗せても吠えず、たくましい犬だった。子供のころから北海道の牧場で馬を追いかけたり、山形の実家で遊んだりと元気で誰にも愛された。

 目が見えないのでは?と気が付いたのは白川郷の道路脇の溝に突然落ちた時だったが、落ちても鳴き声一つたてなかった。

 もともとはドラマで共演した生後2カ月のタレント犬で、あまりの可愛(かわい)らしさに別れがたく、血統書付きなのに3万円で譲っていただいたのだった。

 さて、22日に終わった「おばこ」はとても評判が良く、山形からも大勢のお客さまがいらしてくださいました。本当にありがとうございます。

 第2部の「渡辺えり愛唱歌」では花笠音頭を白崎映美さんと歌い、山形出身のお客さまに舞台に上がっていただいて一緒に唄って踊りました。87歳の米沢の男性や鶴岡の方、私の弟といとこにも上がってもらいました。皆さま本当にありがとうございました。

 オフィス3○○公演「わがまま」は戸田恵子さんとの二人ミュージカル。私の作・演出でのミュージカルです。しかも、全公演の中で山形で初日を迎えます。これは初めてのことで、私の夢でした。故郷山形で初日を迎えることは他の東京の劇団にはできないでしょう。道具作り、宿泊、交通費などを考えても東京のスタッフ、キャストが山形に滞在して舞台を作るのですから。そんな贅沢(ぜいたく)を私のわがままでやってしまうのです。山形の皆さまどうぞご期待ください。

 おかげさまでチケットは完売とのこと。もし当日都合の悪くなった方がおられたら、劇場にお返しになるか、行きたい方に譲ってくださいね。皆さまお待ちしています。

(劇作家・女優、山形市出身)

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