(132)山形から九州へ~渡辺えりの ちょっとブレーク|山形新聞

渡辺えりの ちょっとブレーク

(132)山形から九州へ

2016/4/29 12:45

 「わがまま」の山形公演はおかげさまで大盛況で、大感謝です。

 山形に早くからスタッフと乗り込んでの仕込みや舞台稽古はやはりハードで、長い間山形にいるのに、友達と会うこともできず、温泉にも行けず、戸田さんに郷土料理をごちそうすることもできませんでした。

 しかし、山形の劇団以外では世界初の山形初日ができたことは幸せでした。せつないけれど最後の親孝行かな?と思っています。

 小学校からの友人たち、中学の級友、高校演劇クラブの仲間たち。4年前にがんで亡くなった親友の中井さんの友人たち、いとこの美恵子ちゃんたちもみんな手伝ってくれて大いに助かりました。みんな還暦過ぎても頑張ろうね!

 そして、あれから兵庫、福岡、鹿児島と回り、どこもお大入りで皆さんに喜ばれたのですが、公演途中に熊本の大地震があり、新幹線は不通になって、臨時便の飛行機で福岡から鹿児島に渡りました。福岡からずっと余震が続き、みんな初めてのホテルで眠れぬままの公演でしたが、福岡でも鹿児島でもお客さまは大喜びで山形弁も受けました。故郷出身の方たちが大勢いるのかな?と思ったほどでした。

 鹿児島では山形に観光で行ったことのある人が大勢いてとても良いところだと語ってくれました。桜に雪が舞い降りていた山形からまるで初夏のような鹿児島に移動し、不思議な感覚にとらわれました。無事に東京に戻り、東京での本番中です。26日から札幌、幕別と北海道公演、最後は福井で千秋楽です。

 熊本で、まさかこんなに激しい地震が起きてしまうとは…。まだまだ東北の復興もこれからだというのに、心配なことばかりですね。しかし、今回は義援金などを送るシステムも、企業が独自に始めるのも早く、道路状況さえ整ったら救援物資が被災者の元に届くのも早そうですね。

 東北の震災の時は山形空港が物資の拠点となり活躍したのを思い出します。

 先日山形空港から兵庫公演のために伊丹空港まで久しぶりに飛行機に乗りました。その時に震災でのことを思い出し山形県人に対して誇らしげな気持ちになってしまったばかりでした。

 私を応援してくださっている「山形渡辺えり友の会」からも熊本に義援金を送りたいと思っています。6月ごろにサクランボと一緒に私が直接被災地に持って行こうと思っています。

 募金箱はシベールアリーナのロビーに置いておきますので、観劇などのついでによろしくお願いします。

 これ以上被害が広がらないように祈ります。

 また私たちも、もしもの時の対策をいろいろと考えておきましょうね。

 「わがまま」では大変お世話になりました。また応援本当にありがとうございました。

 来年また私の作品をお見せできるように頑張ります。

(劇作家・女優、山形市出身)

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