渡辺えりの ちょっとブレーク

(146)花笠まつりとコンサート

2017/6/29 12:25

 今年の8月5日は山形花笠まつりでまた踊ることになりました。今年62歳のこの肉体が最後まであの激しい踊りを踊れるのか? 限界に挑戦です。私たち「夢見る力」の会の踊りは正調の浴衣で踊るバージョンと新作の激しい踊りのバージョンが交差するという特徴的な踊りで、私はいつも激しい方を踊るのです。

 今年は歌手の山崎ハコさん、渡辺流演劇塾の塾生たちや役者仲間も参加する予定です。そして翌日の6日、私の故郷村木沢の家の広間で山崎ハコさんと私とのジョイントコンサートを開こうと計画中で、今市長に相談しているところなんです。決定しましたらご報告させていただきたいと思っています。

 8月4日には5年前に癌(がん)で亡くなった山形の親友中井由美子追悼ライブを午後7時から山形駅前のジャズ喫茶「オクテット」で開きます。由美子さんは若い頃、この店でアルバイトをしていました。ジャズミュージシャンのコントラバスの川本悠自さんとピアノの佐山こうたさんをお迎えします。2人は花笠まつりと、6日のコンサートにも参加してくださいます。激しい3日間になりそうです。

 今月19日に東京・六本木のライブハウスで渡辺えりプレミアムコンサート第2弾「愛の歌」を開催しました。いつものシャンソン、ジャズ、ミュージカルの挿入歌は第2部にして、1部で忌野清志郎の歌や、高校時代に「ワンコ」と歌っていたフォークソングを歌いました。ワンコとは由美子さんのこと。旧姓が犬飼だったためそのようなあだ名で呼んでいました。私とワンコはデュオ「やぎ座」を組んでいました。

 こういう時代だからこそ反戦歌を歌おうと決意して選曲している時にワンコと歌った「血まみれの鳩」を思い出しました。昔何度も歌ったこの歌を歌おうとして旋律が出てこない自分に「?」。主旋律はワンコの担当だったと気が付きました。高校時代にワンコの家で二人で録音した「血まみれの鳩」を改めて聴いて、深夜に号泣してしまいました。

 二人でハモッて作っていたこの歌を一人で歌う…。なんて寂しく悲しいんだろう…。

 高校生の頃から平和を願って歌っていたこの歌。千葉に住んでいるワンコの娘さんも聞きに来てくれて、やはり泣いていました。亡くなって時がたてばたつほど、思い出は鮮明になり、ワンコの言った言葉もはっきりと胸に迫ってきます。毎日忙しく、倒れそうになった時、ワンコが勇気をくれる気がしています。

 9月17日には初めて南陽市の木造りの新しいホールでコンサートがあります。そのコンサートに合わせて初の歌のCDアルバムを発売することになりました。デビュー40周年記念アルバムです。劇団を旗揚げしたのが23歳。来年63歳になるのです。年をとっても試練が続きます。

 今月11日まで演じていた「黒塚家の娘」の舞台では初めて喋(しゃべ)れない動けないふりをさせられている還暦の娘役。私の母親役が趣里さんという水谷豊さんと伊藤蘭さんの娘さんでした。

 つまり、母親は人の生き肝を食べて20歳のまま年を取らず、娘の私は普通に年を取っているという不思議な役。悩みに悩んで役作りをしたら、これがとても評判が良く、同業者たちに絶賛されるという意外な結果になりました。幕が下りて1週間後にコンサート、そして翌日は仙台での講演でした。徹夜続きでふらふらの状態でしたが、お客さまたちが大喜びで笑顔で歓迎してくださると、疲れは飛んで頑張ってしまいます。

(女優・劇作家、山形市出身)

[PR]
[PR]