渡辺えりの ちょっとブレーク

(148)山形で過ごした夏

2017/8/31 12:24

 8月4日から6日まで、今年の夏は山形で“炸(さく)裂”できて幸せでした。いつも忙しく、山形で夏を過ごすことはなかなかできなかったので、3日間、仕事のNGが通った時は「やった!」と飛び上がってしまいました。

 4日は駅前の「オクテット」で中井由美子追悼ライブ。5年前に亡くなった、高校の演劇部からの親友「ワンコ」との思い出の曲を歌いつづりました。高校卒業の前に2人で組んだユニット「やぎ座」で歌った曲も披露し、当時録音した歌声も聴いていただきました。

 客席の一番前には「ワンコ」のご両親が座っていました。皆さんの前に登場した途端、その姿を見て涙が溢(あふ)れて歌うことができなくなってしまいました。最初の歌は、私がワンコの笑顔を思い浮かべて作ったものだったからです。昼の回が終わるとワンコのお母さんが、私を「由美子、由美子」と呼んで体を触るのです。ワンコは中年になってから太ったので、私と顔も体形も似てきていました。親友の名前で呼ばれて、いとおしそうに触られた時は本当に堪(たま)りませんでした。

 私の両親と同い年のお二人。お元気で何よりですが、それだけにその気持ちを思うと泣けて仕方がありませんでした。お店の後ろには、ワンコが仕事の照明の調光室内で撮影した写真を大きく引き伸ばして貼りました。

 興奮して眠れないまま5日の花笠まつりで踊り狂いました。今年は9月の3〇〇(さんじゅうまる)の公演に出演する塾生と客演陣、そしてコンサートの演奏をしてくれる東京のミュージシャンも参加してくれて大いに盛り上がりました。両親もケアマネジャーさんのご好意で外出できて、沿道で大声援を送ってくれました。ホテルでの大宴会でもワンコの好きだった曲を歌い、ワンコにジャズを指導してくれていた小野美恵子さんにも歌っていただきました。

 踊りに参加した同級生たちや、福島から山形に移住された被災者の方たち、高校のバンド時代の仲間たちと楽しく盛り上がりました。大沼デパートで買った帯を締めて絽(ろ)の着物で歌いました。

 そして、6日の作谷沢長根のコンサート。オフィス3〇〇山形支部「星の村荘」でのコンサートは大盛況でした。近隣の方は野菜か果物。そうでない方は3千円。家の中にはびっしりとお客さまたちが。受付や準備を長根の近所の皆さまがボランティアで手伝ってくださり、いとこや夢見る力の会の皆さま、昔のバンド仲間たちが協力してくれて、塾生たちも奮闘! 愉快な会となりました。

 小野さんにも、小野さんのご友人のスタッフの方に音響もやっていただき、東京の小劇場のような雰囲気。しかし、冷房がないのであまりの暑さにお客さまも出演者も汗だくでした。戸を外して外の景色が見えるステージでのジャズ。やればできるんだと感動し興奮しました。故郷の村興(おこ)しの一環として来年もできればと思っています。皆さん本当にお疲れさまでした。そして本当にありがとうございました。

(女優・劇作家、山形市出身)

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