渡辺えりの ちょっとブレーク

(151)情熱のタンゴ

2017/11/30 12:21

 アルゼンチンで開催されるバンドネオンの世界大会で優勝した川波幸恵さんというバンドネオン奏者がいます。アコーディオンのような蛇腹の楽器ですが、鍵盤ではなく、全て左右が違う配置の複雑なボタンで演奏する楽器です。演奏は難しく、今世界にある楽器は昔作られた骨董(こっとう)品がほとんどという稀有(けう)な楽器です。

 お友達の世界的アコーディオニスト・cobaさんがバンドネオン奏者で作曲家のピアソラをリスペクトして演奏した「リベルタンゴ」を聴いてから、私はすっかりバンドネオンにほれ込み、彼の紹介で知った川波さんに何度か3〇〇(さんじゅうまる)の舞台に出演していただきました。

 考えれば、cobaさんと出会う前から「赤い靴」という作品で当時、第一線で活躍していた京谷さんというバンドネオン奏者に録音をお願いしたこともありました。あの楽器の生き物のような何とも言えない雰囲気が好きなのです。

 そして、その川波さんから数年前にぜひタンゴを歌ってほしいと、「チェ・タンゴ・チェ」と「ロコへのバラード」というピアソラ作曲の歌が送られてきたので、苦心して日本語の歌詞を作り、東京のお寺で歌いました。それがタンゴを歌った最初でした。

 今年の6月、六本木のライブハウスで私の歌う「ロコへのバラード」を聴いたプロデューサーがぜひにと誘ってくださり、10月24日と25日に「めぐろパーシモンホール」で開催された「タンゴのすべて」というショーに出演することになったのでした。タンゴのオーケストラをバックにクミコさんや久野綾希子さん、篠井英介さん、そして元宝塚のトップスターたちとの夢の共演に緊張した2日間でしたが、これがとても評判が良く、アルゼンチン大使もとても喜んでくださいました。

 そしてうれしいことに私の歌が全国紙の評でも絶賛されたのでした。その時のバンドの方たちともまた絶対にやろうと約束し、川波さんともいつかまたタンゴを2人でと誓い合っていたので、急きょ12月20日に「冬祭り!・情熱のタンゴ」という題でライブをやることに決めました。タンゴの新曲も作ることにしました。

 来年6月上演の新作も書き上がらず、忙しい日々だというのにまたしても自分を追い込んでしまいましたが、体にリズムが生まれ、それを切り離すことができなくなってしまったのです。

 先日母が老人ホームで骨折してしまい、慌てて帰郷しましたが無事に退院できました。帰りに弟が顧問をしている山形六中のバレーボール部を訪ねました。試合の翌日でしかも祝日に必死に練習している姿を見て、私たちの中学校時代のバレー部と重なり胸が熱くなりました。後で世界的に有名になる吉田敏明君は同級生で、あの年6人制バレーで初めての全国優勝を果たしたのでした。今もバレーが強いと知って感無量でした。

 読者からお手紙をいただき質問を受けましたのでお答えします。

 私が目をパチパチするのが気になるということですが、これはソフトコンタクトレンズを着けているので、目が乾いた時にそうなるのだと思います。気を付けます。また、私の手のジェスチャーが気になるとのこと、これは昔からの癖です。高校の演劇クラブの会合の時にもよく言われました。口でしゃべるより先に手の方が動いてしまう。しかし、二つとも地を出してしまった時の癖で、演技している時はやっていないと思うのですがどうでしょう。

 また何か質問がございましたらこの場をお借りしてお答えいたします。お手紙ありがとうございました。

(女優・劇作家、山形市出身)

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