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スマホで映像も送る、新110番システム 県警、昨秋から試験運用

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「110番の日」に合わせて行われた模擬通報体験。県警は認知度向上を課題としている=10日、山形市・イオンモール山形南店 「110番の日」に合わせて行われた模擬通報体験。県警は認知度向上を課題としている=10日、山形市・イオンモール山形南店
 県警が昨年10月に試験運用を開始したスマホなどを使った「110番映像通報システム」が効果を上げている。同年は9件の利用があり、顔写真をいち早く共有できたことで行方不明者を早期に保護できたり、交通事故現場の素早い状況把握に役立った。一方、インターネット上の“住所”を示す「URL」などIT用語が伝わらず、通報者が混乱したケースもあり、県警は各種啓発イベントなどで、通報の手順を普及していきたいとしている。

捜索、事故対応に効果

 県警通信指令課によると、県内での活用事例では、庄内地方で介護施設から認知症の高齢者が所在不明になったと通報があった際、行方不明者の顔写真を送信してもらい、現場近くにいた警察官と共有した。手配から約30分で保護することができた。

 交通事故現場で力を発揮した事例もある。路面が凍結した村山地方の国道で、車両6台が絡む交通事故が起きたときには、送信された写真から現場状況を把握し、現場対応に必要な警察官の人数やレッカー車の台数を効率的に手配できたという。同課の太田久康次長は「必要最小限の手順で事故現場の検分もできた」と振り返る。

 実際に対応する中で課題も見えている。110番を受けた通信指令の担当者が指示する際、通報者から「SMSやURLとは何か」「スピーカーの状態で通話する手順が分からない」などと言われたという。太田次長は「スマホに慣れていない人でも分かりやすいよう工夫して説明したい」と強調した。

 県警は「110番の日」の10日、山形市のイオンモール山形南店で来店客に模擬通報を体験してもらい、同システムの仕組みを周知した。

 110番映像通報システム 通報者からスマホなどで撮影した事件、事故の映像や画像を提供してもらう。警察官が迅速、的確に現場状況を把握し適切な初動につなげるのが狙い。警察は専用サイトのURLをショートメッセージで通報者に送る。通報者はサイトにアクセスし、通信指令の担当者から口頭で指示があった数字4桁のコードを入力した後、担当者と話しながら映像などを撮影し、送信してもらう。映像などは担当者らと現場に向かう警察官が共有する。2022年10月から全国で試験運用が始まり、23年4月に本格的に運用が始まる予定だ。
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