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業務自動化、効果を確認 酒田市、システム導入向け実証実験

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「行政のDX」に向け、RPAとAI-OCRを活用して実証実験が行われた=酒田市内 「行政のDX」に向け、RPAとAI-OCRを活用して実証実験が行われた=酒田市内
 酒田市はRPA(ロボットによる業務の自動化)とAI―OCR(人工知能を活用した光学的文字認識技術)の業務導入に向けて実証実験に取り組み、書類の入力業務などで79~29時間、実験前に比べ60%~30%の削減率となる効果があったと結果を公表した。書類や台帳、月報に必要事項を記入する単純・定型的な五つの作業で、市は本年度、業務の種類を増やし、本格的に導入する方針だ。

書類入力など・最大79時間短縮、削減率60%

 総合ITサービス業のYCC情報システム(山形市)が各種システムの構築を受託。実証実験は(1)軽自動車税申告書入力(2)農地台帳入力(3)国民健康保険事業月報作成(4)筋力トレーニング室利用者情報入力(5)会計年度任用職員登録―の各業務で昨年6月から今年3月まで行った。

 実験前の手作業に比べ、最も時間の削減率が高かったのは(4)で122時間から50時間となり、約60%だった。(1)は廃車に関する申告書の処理で行い、繁忙月は千枚、通常は320枚程度の入力作業を職員が114時間かけて行ってきた。実証実験の結果、77時間に短縮することができ、37時間、約30%の削減となった。

 「パソコンは疲れ知らず。最終確認は職員が目視で行うが、単純ミス防止も期待できる」と同市デジタル変革戦略室の小林裕介調整主任。システムは閉庁後や業務終了後の夜中でも動かすことができ、効率化や手続きの簡素化、時間短縮にもつながる。実証実験は同市が掲げるデジタル変革戦略の「行政のDX」の一環。小林調整主任は「単純作業に取られていた時間を削減し、より職員が直接行うべき業務に当たることができる」と話した。

RPAとAI―OCR RPAはRobotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略。パソコン(PC)を使った入力業務をPCのソフトに内蔵されたロボットが自動で行う。AI―OCRはAI(人工知能)の機能と、画像から文字を読み取り、データ変換する光学文字認識機能・OCR(Optical Character Recognition、オプティカル・キャラクター・レコグニション)を組み合わせ、文書の中の指定した枠などの文字を読み取る。今回はAI―OCRは、インターネットとは切り離された自治体が使う総合行政ネットワーク(LGWAN)ASPサービス上で運用され、読み取ったデータの流出防止など安全性も担保されている。
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