談話室

▼▽「友達の悪口を言っている人がいた。うわっひどいと思って私はそれを他の友達に言った。あれ?まって?同類じゃん!私も彼女も」。東根市出身の教育学者・村山士郎さん編書の「いじめのきもち」で女の子が綴(つづ)る。

▼▽友達がみんなと楽しそうに話していた。「どうしたの?」と聞くと、「何でもない」と教えてくれない。「一瞬、その子が嫌いになった」。いじめにつながる不安感やむかつきが膨らんでいく。同書は小中学生のいじめに関する体験を集めており、子どもの心が露(あら)わになる。

▼▽10年前の9月28日、いじめ防止対策推進法が施行された。法制化のきっかけは大津市であった中2男子のいじめ自殺だ。息子の死の真相を追究した父親の闘いが法律には反映された。父親は法を順守させるため全国のいじめ事件で遺族を支援し、本県にも何度も足を運んだ。

▼▽今も全国的にいじめはなくなっていない。遺族が教育委員会の対応に不信感を抱く状況も見られる。大津市の父親は「息子が命を懸けて作った法律だが、子どもを守れていない」と嘆いた。いじめられていませんか? いじめを見ていませんか? 悩んでいたら声を上げて。

(2023/09/28付)
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  • 9月28日
  • ▼▽「友達の悪口を言っている人がいた。うわっひどいと思って私はそれを他の友達に言った。あれ?まって?同類じゃん!私も彼女も」。東根市出身の教育学者・村山士郎さん編書の「いじめのきもち」で女の子が綴(つづ)る。 [全文を読む]

  • 9月27日
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  • 9月26日
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