談話室

▼▽この時季、県外の知人に喜ばれる贈り物の代表格はサクランボだろう。整然と並んだ紅色の粒を見て、顔をほころばせる。そう想像するだけで、こちらもうれしくなる。いつも以上に山形をアピールできる好機到来だ。

▼▽川崎市で暮らす友人に毎年送っている。幼子を含む3人家族で家を空ける機会が多い。それ故、受け取り日時をあらかじめ確認しておく。「週末の夜? それとも休日の午前?」。時間帯指定に応える宅配業者あってこそだが、業界ではある問題を前に危機感が増している。

▼▽「2024年問題」である。来年4月からトラックドライバーの残業時間が規制強化される。労働環境の改善は望ましいものの1人の運搬量が減り、運転手不足が深刻化するという。何ら対策を打たなければ「30年に東北で40%以上の荷物が運べなくなる」との試算もある。

▼▽自慢の農産品を県外の人々に変わらず味わってほしい。国は宅配便の利用者に確実に受け取れる日時・場所の指定など再配達削減への協力を呼びかける。個人的には少量の発送だが、無用な再配達とならないよう引き続き心がける。働く人にとって負担なく、旬を届けたい。

(2023/06/10付)
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最新7日分を掲載します。
  • 6月10日
  • ▼▽この時季、県外の知人に喜ばれる贈り物の代表格はサクランボだろう。整然と並んだ紅色の粒を見て、顔をほころばせる。そう想像するだけで、こちらもうれしくなる。いつも以上に山形をアピールできる好機到来だ。 [全文を読む]

  • 6月9日
  • ▼▽交差点で信号が青に変わっても、前のトラックが動かなかった。よそ見をしているのかと、クラクションを鳴らしたが、発進しない。ようやく動き出した後で分かる。トラックは車いすの人の横断を待っていたのだと。 [全文を読む]

  • 6月8日
  • ▼▽「黄河を制する者は中国を制す」という。恵みに加え時に洪水の災禍をもたらす大河だけに、治水の重要性を説く。だがかつて、破壊力を為政者がわざと解き放った歴史もある。日中戦争さなかの1938年のことだ。 [全文を読む]

  • 6月7日
  • ▼▽どこの誰かは知らないけれど、正義の味方であり、善い人であることはみんなが知っている。その人は〈疾風(はやて)のように現れて/疾風のように去って行く〉のだ。ご存じ、日本の特撮ヒーローの元祖「月光仮面」である。 [全文を読む]

  • 6月6日
  • ▼▽梅雨(つゆ)は「梅の実を熟させる雨」が語源の一つになっている。緑色の実がしっとりと濡(ぬ)れながら、少しずつ紅色を帯びてくる。白河藩主の松平定信が風流に詠んだ。〈梅の実は緑の中に色わきて紅にほふさみだれのころ〉 [全文を読む]

  • 6月5日
  • ▼▽駆け出しの記者の頃、取材相手の警察官から雑談のこつを教わった。曰(いわ)く「天気予報とNHKの朝ドラを見ておくといい」。共通の関心事は会話の糸口になるからと。当時は朝ドラを見る人が今より多かった気がする。 [全文を読む]

  • 6月4日
  • ▼▽気温が少し上がっても高い所はまだ過ごしやすい。山歩きにふさわしい時節が到来した。足慣らしも兼ね、山形市北端にある面白山(1264メートル)に出かけた。登頂してから、直下の急坂を下っていた時のことだった。 [全文を読む]

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