談話室

▼▽山形市の七日町大通りで北を向くと突き当たりにくっきり見える。そびえるように立つ文翔館。大正期に建て替えられ、平成の修復を経て今に至る。大正ロマン漂う堂々たる洋風建築に観光客の多くがカメラを向ける。

▼▽象徴的な時計塔も建物同様100年余の歴史がある。稼働している機械式塔時計では札幌の時計台に次いで古いという。仕組みは山形市の発明家・阿部彦吉が考案した画期的なものだ。そもそもは重りの分銅を動力として使う振り子時計で、維持には人力作業が欠かせない。

▼▽文翔館として開館した1995年からずっと保守点検してきた時計職人桝谷二郎さんが先週91歳で旅立った。阿部の孫という縁もあった。重さ26キロ余の分銅を手動で巻き上げ時差を調整する作業を5日に1回行ってきた。家族によると元気だった今年6月まで続けたという。

▼▽「90歳までやる」と話し、カレンダーに文翔館の日の印を付けて終了後に赤く塗る。自転車で通いながら地道に続けてきた。今は時計店を継ぐ長男秀一さん(63)が作業を担う。県都のシンボルとも言える時計塔を守り続けて27年。この先も空から温かく見守っているだろう。

(2022/12/08付)
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  • 12月8日
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  • 12月7日
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  • 12月6日
  • ▼▽英国で慈善団体を運営する黒人女性が先月末、カミラ王妃のレセプションに招かれた。会場で白人女性が国籍を尋ねる。「英国です」と答えても質問は執拗(しつよう)だった。「アフリカのどこ出身?」「本当はどこから来たの」 [全文を読む]

  • 12月5日
  • ▼▽「バイキング給食を年5回に増やして」「誕生日にケーキを出してほしい」。山形県学校給食100年のあゆみ(1989年、県教育委員会刊行)に、当時の児童生徒が給食への思いと夢をテーマに綴(つづ)った作文がある。 [全文を読む]

  • 12月4日
  • ▼▽1969年のプロ野球日本シリーズ第4戦でその“事件”は起きた。四回、巨人の三走土井正三選手が本盗を敢行し際どく生還。タッチアウトを確信する阪急の捕手が怒り、球審を突き飛ばして退場処分を受けたのだ。 [全文を読む]

  • 12月3日
  • ▼▽いいかげんで、ちょっと下品なところもある。でも根は優しく憎めないから子どもたちには人気だ。いたずら好きなキツネのゾロリと弟子のイノシシが冒険の旅を繰り広げる児童書「かいけつゾロリ」シリーズである。 [全文を読む]

  • 12月2日
  • ▼▽山形市のプレミアム付き電子商品券・ベニpay(ペイ)。多くの店が登録し、25%分がお得とあって物価高の中で助かる。購入を申し込んだところ風に落ち葉が舞い散るイラストと共に通知が届いた。抽選の結果落選である。 [全文を読む]

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