談話室

▼▽川西町出身の作家井上ひさしさんには窃盗癖があったという。自身が「一盗一窃のひけめ」と題したエッセーで告白しているから間違いではない。だが、人気作家の暗部と断じるのは早計。何せユーモアの達人である。

▼▽逮捕される危険は覚悟の上だと深刻ぶって明かされるのは小さな悪事だ。盗品は旅の宿のタオルや灰皿、レストランの爪楊枝(つまようじ)、喫茶店のマッチ…。現行犯で見つかってもお目こぼししてもらえるだろうという小狡(こずる)い計算が働いており「人間としては小物だ」と自己分析する。

▼▽岩手県の国立釜石療養所で事務員をしていた際の罪も自白している。屋根裏の倉庫に行って備品を外に放り投げ、仕事帰りに回収する手口で退職までにため込んだのは毛布10枚、浴衣十数枚。結局は1枚ずつ手元に置き、残りは自分が世話になった孤児院に寄付したそうだ。

▼▽神戸市の神戸赤十字病院から医療用のマスク約6千枚が盗まれたという。新型肺炎と社会全体で闘っている時にである。個人で使い切れる数量ではない。マスク不足を狙った転売目的か。同じ医療機関の備品でも、人間味のある罪の告白とは比べるまでもない非道な行いだ。

(2020/02/19付)
最新7日分を掲載します。
  • 2月19日
  • ▼▽川西町出身の作家井上ひさしさんには窃盗癖があったという。自身が「一盗一窃のひけめ」と題したエッセーで告白しているから間違いではない。だが、人気作家の暗部と断じるのは早計。何せユーモアの達人である。[全文を読む]

  • 2月18日
  • ▼▽衆院予算委員会は白熱した。67年前の1953(昭和28)年2月のことだ。野党右派社会党の質問に対し「無礼なことを言うな」とやり合った吉田茂首相は、その後自席に着くなり「何だ、このバカヤロー」と呟(つぶや)いた。[全文を読む]

  • 2月17日
  • ▼▽1998年の今日と同じ2月17日だった。大雪の中行われた長野冬季五輪ジャンプ団体競技。最後の船木和喜(かずよし)選手が大きく美しいアーチを描き、日本が1回目4位から金メダルを掴(つか)んだ。逆転劇に日本中が酔いしれた。[全文を読む]

  • 2月16日
  • ▼▽自らの利益のみを追求するのではなく買い手と世間の幸せも共に願う「三方よし」は近江商人の心得として知られる。企業の社会的責任が重視される現代においても通じる理念であり、経営の根幹に据える会社は多い。 [全文を読む]

  • 2月15日
  • ▼▽仕事、友、かけがえのない家族さえ失った。辛(つら)い思いは二度としたくないと分かっていても心に空いた穴を埋めるため手を出したくなる。4年たった今も薬物を使う夢を見る。魔物との闘いは生涯なくなることはない。[全文を読む]

  • 2月14日
  • ▼▽半地下の部屋の窓は地面すれすれの高さにある。日当たりが悪くスマホの電波も入りにくい。劣悪な環境の半地下に住む家族が丘の上の大邸宅に住む裕福な社長一家とひょんなことで関わるようになり、話は展開する。[全文を読む]

  • 2月13日
  • ▼▽中国・唐代の王維にこんな漢詩がある。「積水(せきすい) 極む可(べ)からず/安(いずく)んぞ滄海(そうかい)の東を知らんや」。遠国に帰る友との別れに際して「どこまでもはるかに海が続いている。青海原の東の果ては知りようがない」と詠嘆する。 [全文を読む]

文字サイズ変更
  • 小
  • 中
  • 大

県内8市発行メールマガジン登録無料

ふるさとだより

毎週木、金曜日配信中!

ニュース特集

スポーツ

教育・子育て

おでかけ

暮らし情報

twitter発信中

山形新聞からお知らせ

  1. 【2020年8大事業】
     山形新聞、山形放送の2020年の8大事業が決まりました。詳しくは、こちらから
  2. 【やましん公式FB】
     山形新聞社は、インターネット交流サイト「フェイスブック(FB)」の公式ページを新設しました。
     公式ページでは山形新聞のニュースのほか、本社からのお知らせなどを中心に紹介します。
     アドレスは、こちらから
  3. 【やましんe聞で動画視聴】
     読者限定の電子版「やましんe聞」で動画を閲覧できる新サービスを始めました。詳しくは、こちらから。
  4. ◆中学、高校の各種スポーツ大会の記録を紹介。検索機能も備えています。アクセス方法はこちら
  5. ◆探したい記事がきっと見つかる、山形新聞記事データベース。他社DB横断検索が便利な日経テレコンジー・サーチファクティバ
  6. ◆県外でも今日の朝刊が朝一で読める「お届け電子版
  7. ◆ニュース速報、高校野球、モンテ情報… 身近な情報を携帯で確認「モバイルやましん
  8. ◆故郷の話題をメールでお届け、ふるさとメール会員募集(登録無料)
山形新聞から
販売から