談話室

▼▽ノーベル賞作家大江健三郎さんは山形市で予定していた講演会の日程を翌日と勘違いし、すっぽかしたことがある。「自分のせいでお客さんに迷惑を掛けた」と落ち込み、自宅の書庫にしばらく引きこもってしまった。

▼▽1週間して、2階にある書庫に長男光(ひかり)さんが上がってきた。「パパは気持ちが変になっていましたか?」。その言葉に救われ、大江さんは「もう大丈夫」と階段を下りていくことができた。これだけにとどまらない。光さんは大江さんの創作面にも大きな影響を与えている。

▼▽光さんには知的障害がある。その息子と日々向き合った経験が、大江さんの創作の方向を決定付けた。光さんは繊細な音感を生かし、作曲家へと自らの道を開いた。山形市の東海林大選手が東京パラリンピック出場を決めたという報に触れて、大江さん父子の歩みが蘇(よみがえ)った。

▼▽東海林選手はパラ競泳世界選手権の男子200メートル個人メドレー(知的障害)で世界新を出し、東京への切符を手にした。3年前のリオ大会は重圧から出場を逃している。夢をつかんだ陰にはやはり不断の努力があっただろう。来年の本番もぜひ山形に明るい光をもたらして。

(2019/09/16付)
最新7日分を掲載します。
  • 9月16日
  • ▼▽ノーベル賞作家大江健三郎さんは山形市で予定していた講演会の日程を翌日と勘違いし、すっぽかしたことがある。「自分のせいでお客さんに迷惑を掛けた」と落ち込み、自宅の書庫にしばらく引きこもってしまった。 [全文を読む]

  • 9月15日
  • ▼▽1908年ロンドン五輪の男子マラソンは、猛暑で棄権者が続出する過酷なレースだった。そんな中、朦朧(もうろう)状態で競技場に戻ってきたイタリアのドランド・ピエトリ選手は、何度倒れても立ち上がり1位でゴールする。 [全文を読む]

  • 9月14日
  • ▼▽その人の随筆には、山形の話題がよく登場する。重いリュックを背負って朝日連峰や飯豊連峰を歩いたかと思えば、酒田市の洋画界の先駆け的存在である池田亀太郎の足跡を訪ねるため飛島に足を延ばしたこともある。 [全文を読む]

  • 9月13日
  • ▼▽年中こんな生活が続けば申し分ないのに-との意を例えた諺(ことわざ)に「いつも月夜に米の飯」がある。電気がなかった昔、闇夜を照らす月明かりは米と並んで貴重なものだった。かたやスイッチ一つで照明がつく現代である。[全文を読む]

  • 9月12日
  • ▼▽両親とも芸人の家に生まれたチャプリンは幼い頃、離婚した母と一緒に舞台に立った。母が病んだ後は孤児院で暮らした。喜劇王は苦労人でもある。自ら監督し数々の名作を生み出した。その一つに「街の灯(ひ)」がある。 [全文を読む]

  • 9月11日
  • ▼▽日本死ね-。保育園の入所選考に落ちた母親が、過激な言葉で不満を綴(つづ)った匿名のブログが話題になったのは3年前のこと。子どもたちには絶対に使わせたくない表現だが待機児童問題の深刻さを訴える力は強かった。[全文を読む]

  • 9月10日
  • ▼▽「五月雨を集めて早し最上川」は言わずと知れた芭蕉の名句である。「おくのほそ道」紀行中、水量が増して勢いよく流れ下る川を目の当たりにして詠んだ。五月雨は陰暦5月頃に降る長雨、つまり梅雨を表している。[全文を読む]

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