談話室

▼▽1969年のプロ野球日本シリーズ第4戦でその“事件”は起きた。四回、巨人の三走土井正三選手が本盗を敢行し際どく生還。タッチアウトを確信する阪急の捕手が怒り、球審を突き飛ばして退場処分を受けたのだ。

▼▽観客席もざわつく微妙な判定。球審の岡田功さんにはホームインの瞬間が確かに見えたが、帰宅後に視聴したニュースの映像ではどれもベースを踏んでいないよう。日本シリーズという大舞台でトラブルを起こした責任を取って辞表を書こうと考えたと、後年回顧している。

▼▽だが、翌日の新聞に載った写真によって救われる。捕手の股間にできた僅(わず)かな隙(すき)で土井選手の左足はベースを踏んでいた。レンズが判定の正しさを証明したといえば、サッカーW杯の日本-スペイン戦も語り継がれよう。3日付各紙に決定的瞬間を捉えた写真が掲載された。

▼▽決勝点につながった三笘薫選手のプレーだ。中継映像ではボールがラインの外に出たかに見えたが、ビデオ判定(VAR)の末に得点が認められた。AP通信が世界に配信した一枚は、紙一重の真実と三笘選手の執念を物語り、VARの有効性も知らしめたと言えるだろう。

(2022/12/04付)
[PR]
最新7日分を掲載します。
  • 12月4日
  • ▼▽1969年のプロ野球日本シリーズ第4戦でその“事件”は起きた。四回、巨人の三走土井正三選手が本盗を敢行し際どく生還。タッチアウトを確信する阪急の捕手が怒り、球審を突き飛ばして退場処分を受けたのだ。 [全文を読む]

  • 12月3日
  • ▼▽いいかげんで、ちょっと下品なところもある。でも根は優しく憎めないから子どもたちには人気だ。いたずら好きなキツネのゾロリと弟子のイノシシが冒険の旅を繰り広げる児童書「かいけつゾロリ」シリーズである。 [全文を読む]

  • 12月2日
  • ▼▽山形市のプレミアム付き電子商品券・ベニpay(ペイ)。多くの店が登録し、25%分がお得とあって物価高の中で助かる。購入を申し込んだところ風に落ち葉が舞い散るイラストと共に通知が届いた。抽選の結果落選である。 [全文を読む]

  • 12月1日
  • ▼▽国立国会図書館(東京)の蔵書検索で、米沢市出身の建築家伊東忠太の著書を探してみた。伊東が残した著作のうち、多くがデジタル化されており「琉球(りゅうきゅう)-建築文化」「法隆寺」などをパソコン上で直ちに閲覧できる。 [全文を読む]

  • 11月30日
  • ▼▽シンガー・ソングライターあいみょんさんの代表作に「君はロックを聴かない」がある。恋心を寄せる相手を元気づけようと「僕」は自分が好きなロックのレコードをかける。受け入れてもらえるか不安を抱きながら。 [全文を読む]

  • 11月29日
  • ▼▽その人は2002年、歌手としてデビューした。だがCDを何枚出しても「壊滅的に」売れなかった。「少しでも音楽を知ってほしい」とブログを始めると、文章の方が評判になり小説の依頼が舞い込むようになった。 [全文を読む]

  • 11月28日
  • ▼▽プロボクシングの世界戦はかつて15回戦だった。互いに倒れず最後まで戦えば正味45分の長丁場となる。1980年代に入ると、世界王座を認定する団体の一つが選手の安全を考慮し12回戦に変更。他団体も追随した。 [全文を読む]

[PR]