談話室

▼▽今の写真はスマートフォンのカメラでも手軽に撮影し保存できる。だがデジタル化される前の昔のカメラは、ネガフィルムを使い、撮ったら現像して、紙に焼き付ける作業が必要だった。記者の仕事にもそれがあった。

▼▽駆け出しの頃、苦い経験がある。現場取材から戻り、撮った写真のフィルムを暗室で現像したところ、手作業でしくじり真っ黒で不出来なネガに。赤灯の下で言葉を失った。先輩の顔が浮かぶ。暗室の中でこのまま消えてしまいたい。そんな詮ない考えがよぎったりもした。

▼▽画像確認が容易な今は起こり得ないわけだが、仕事での失敗は最近の新入社員もあるだろう。今春、生保会社が入社1~2年目の若手千人を対象に行った意識調査で、先輩に言われてやる気が奪われるせりふを尋ねた。回答の最多は「この仕事、向いてないんじゃない?」。

▼▽仕事の適性を否定されたらやる気を失う。件(くだん)の暗室を出た時も、辛口の指導は頂いたが適性の否定はなかった。今の若い世代も基本は同じだろう。逆にやる気が出る言葉は「君がいて助かった」だそうだ。自分が役に立っている、そんな手応えが大事か。頑張れ、新人諸君。

(2022/06/25付)
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