やまがた橋物語

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吉野川前編[5]

◆観楽橋(南陽)

観楽橋(南陽)の写真 禅正院(右)や小滝小(左奥)へと導く観楽橋。古来多くの人が行き交った=南陽市小滝

 吉野川の流れが小滝集落内に入ると左岸に禅正院、小滝小学校が見えてくる。旧小滝街道筋から、寺と小学校に向かって東に延びる市道小滝最上坂線がまたぐのが観楽橋だ。

 「人が集まる、見晴らしの優れた所との意味から、観楽の名が付いたのではないか」と語るのは禅正院住職の布川道輝さん(76)。東側の高台にある八雲神社は桜や紅葉が美しい公園として親しまれ、近くには禅正院の墓地があることから、多くの地域住民が寺へ、墓参へ、公園へとこの橋を渡ったという。

 橋の上からは白鷹山が遠望でき、今は失われたが明治時代までは上流に音羽滝があったという。小滝の地名の由来とされる九つの滝の一つで、音羽という絶世の美女にまつわる伝説も残る。現在の橋は1966(昭和41)年の完成で、長さ9.5メートル、幅4.1メートル。

 近代的な建物で目を引く小滝小は1873(明治6)年、禅正院内に郷校小滝学校が設立されたのが始まりで、130年以上の歴史を刻む。観楽橋は昔から子どもたちの通学路でもあった。上流の川向橋も暮らしに欠かせない橋で、長さ13.1メートル、幅3.1メートル。完成年は記録に残っていない。

2011/09/09掲載
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