吉野川は、南陽市小滝地区の源流部から高畠町夏茂で最上川に注ぎ込むまで、総延長約30キロ。橋名が分かるものだけで50を超える。数が多い背景として、県置賜総合支庁道路計画課は▽蛇行する川を貫き直線的に道路を通すため、県道山形南陽線改良で新橋を架けた▽集落内の既存の橋が生活橋として残った-ことを挙げる。
荻集落東側のやや高台を迂回(うかい)するバイパス工事で新設されたのが、こうみん橋だ。長さ23.3メートル、幅16.5メートル、2002年完成。平仮名で「こうみん」とは珍しいが、橋の歩道から街並みを眺めたところ、川沿いに吉野公民館を発見。疑問が解けた。公募の結果、地元荻小児童の作品が採用されたという。
「南陽市合併前の宮内町時代に役場の吉野支所、農協があった場所で、家屋、商店の多い中心街だった」と公民館長の山田武夫さん(67)。公民館脇にある末広橋(1972年完成)は旧県道上の橋で、かつて鉱山従事者、地域民、子どもたちがにぎやかに行き交ったという。
吉野公民館は建設中の吉野森林交流センターに併設される方向で、建物はまもなく当初の役割を譲ることになりそうだ。
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