岩にうがたれた穴から清流が流れ落ちる奇観で知られる南陽市小滝のくぐり滝。その滝つぼからやや下流に位置するのが潜滝橋だ。1969(昭和44)年完成のコンクリート橋で長さ5.9メートル、幅4メートル。川面へと下り橋脚を見上げると、山中の濃い緑に囲まれどっしりとしている。近くに駐車場が整備されており、滝目的の多くの観光客がこの橋を渡る。夏は小学生の自然教室も開催されるエリアだ。
吉野川は、さらに上流の水林地区から流れ始める。江戸時代に、米沢藩が水資源確保のために滝の奥を「御料林」として、山守と水守の7世帯を住まわせた歴史があり、75年まで集落があった。同地区からくぐり滝の脇を抜け、国道348号(旧小滝越え)へと導くのが市道小滝潜り滝線。上流から官山橋、潜滝橋、第二川前橋、川前橋の4橋が吉野川をまたぐ。
かつて川沿いに営まれた水田や畑へと小滝住民らが通った道だというが、現在は観光客の車やバスが時折通行する以外、ひっそり。橋も長い年月を経て、すっかり周囲の風景に溶け込んでいる。
|
|