やまがた橋物語

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天王川編[9]

◆古郷部橋(米沢)

古郷部橋(米沢)の写真 古郷部橋のたもとでは上郷小の児童たちが毎年、稚魚放流を体験している=米沢市

 米沢市竹井の古郷部橋は1988(昭和63)年の架設。橋のたもとでは、地元の上郷小の児童たちが毎年初夏、稚魚放流を体験している。通学で利用する児童は現在1人しかいないが、子どもたちにとってなじみ深い場所となっている。

 橋の名前になっている古郷部は、天王川東側の集落の名。集落南側の小高い丘陵地には、天明年間(1781~88)に建てられた八幡神社がある。川がはんらんしても集落内で参拝できるようにと、古郷部の氏子たちが分祀(ぶんし)したと伝わる。

 天王川が大雨ではんらんするたびに、古郷部は洪水に見舞われた。小集落であるためか昭和になっても河川、道路の整備はなかなか実施されず、古郷部橋が永久橋に架け替えられたのは1963(昭和38)年のことだった。

 河川改修後に架けられた現在の橋は全長57.1メートル、幅6.7メートル。橋の北側には川辺に下りられるよう階段が整備されている。このスペースを使って、上郷小の児童たちは稚魚放流を行っている。

 稚魚放流は米沢八幡原中核工業団地の企業でつくる八幡原企業協議会が水質調査の一環で、子どもたちに自然の豊かさを感じてもらおうと2004年に始まった。同校の5年生が対象で、ことしも6月9日にウグイの稚魚約300匹を放流した。普段は川で遊ぶ機会がない児童たち。加藤一輝君(10)と王易格(オウ・エキコ)さん(10)は「放流した稚魚のほかにも魚がたくさんいて驚いた」「ずっときれいな川であるように、大事にしたい」と話していた。

2010/08/12掲載
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