やまがた橋物語

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天王川編[2]

◆羽山橋(米沢)

羽山橋(米沢)の写真 通称「ぶどうまつたけライン」を支える羽山橋。右岸にある古民家を移築したそば店は現在、かやぶき屋根を修復中だ=米沢市万世町梓山

 近くの山の通称にちなんで名付けられた米沢市万世町梓山の羽山橋。全長24.67メートル、幅6.8メートルで、周辺でブドウやマツタケが多く採れることから通称「ぶどうまつたけライン」と呼ばれる市道を支える。橋は国道13号から市道を約10メートル入ったところにあり、1967(昭和42)年にコンクリート製の永久橋に生まれ変わるまでは、木造の土橋だった。

 地元の元町内会長嘉藤徳英さん(76)は小学生時代、木造だったころの羽山橋を通って旧万世小に通った。橋と川面の間は1メートルほどしかなく、大雨が降ると橋が流されんばかりの水かさに。嘉藤さんは「水かさが増えると、大人たちに『危ないから注意して渡るように』とよく言われた」と懐かしむ。

 大水で橋が崩落したのも1度や2度ではない。その度に補修されたが、1954(昭和29)年に米沢市と合併する前の旧万世村は財政難。改修費を工面することが難しかったため、各集落ごとに住民から集めた「区費」を充てたこともある。地元からは工事の人手も借り出された。

 木造の旧橋は大型車の通行が禁止されていた。だが66年5月、国道13号拡幅工事のために大型車が通った際、橋脚が折れて車両が川に転落する事故が発生。程なく橋は木造のまま修復されたが、強度不足は変わらなかったため、今のぶどうまつたけラインが農道として整備された67年、旧橋から10メートルほど下流に永久橋として架け替えられた。

 ぶどうまつたけラインは福島市から高畠町に抜ける近道で、車の往来は少なくない。橋の右岸には古民家を移築したそば店があり、お昼時には多くの人が橋を渡って店を訪れる。そば店は現在、かやぶき屋根を修復中で、昔ながらのたたずまいを残している。

2010/08/03掲載
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