やまがた橋物語

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鮭川編[8]

◆豊田橋(鮭川)

豊田橋(鮭川)の写真 冷え込んだ朝、水墨画のような景観となった豊田橋を渡って登校する鮭川中の生徒たち=鮭川村

 鮭川は北東から流れてきた真室川と合流し、鮭川村に入る。豊田橋は右岸の高台に鮭川中を臨む場所に架けられている。通学時間帯に行ってみると、対岸から歩いて通う生徒たちが、弱々しい冬の朝日を背に登校していた。

 鮭川村史によると、最初の豊田橋は、右岸の山林で生産された木炭を奥羽本線の羽前豊里駅に運ぶため、秋田営林局(現東北森林管理局)の主導下、1941(昭和16)年に架けられたという。木橋で翌年の大雨で半壊し、その後のつり橋も洪水に泣かされた。61年に待望の永久橋が架橋。現在の橋は91年に新設された長さ210.5メートル。

 夕暮れ時、きびきびと橋を歩く近所の女性(78)と出会った。冬は橋を渡って鮭川中まで歩き、雪のない時季は豊田橋から観音寺橋まで堤防沿いを自転車で走るのが日課という。「この橋は私の道」とにっこり。

 久しぶりに晴れ上がった早朝、アマチュアカメラマンの黒坂祐治さん(71)=同村石名坂=が橋の上から刻一刻と光が変化する冬景色を撮影していた。「豊田橋は冬が美しい。河川敷の木々に霧氷がつき、こんなに天気の良い日は一冬に数えるくらいしかない」。話す息が白かった。

2012/01/27掲載
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