やまがた橋物語

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鮭川編[14]

◆岩津橋(戸沢)

岩津橋(戸沢)の写真 船頭のモニュメント「せんどう君」が通行する人たちを見守る岩津橋=戸沢村

 戸沢村の岩清水、津谷の両集落を結ぶことから名付けられた岩津橋。1995年に完成し、長さ223.5メートル。幅は約7メートルしかないが、片側に幅1メートルの歩道が設置されている。この歩道には地元の人たちの思いが込められている。

 「戸沢村史」によると、鮭川と升形川に挟まれた岩清水集落は「橋と車のない村」などと紹介されたこともあった。62(昭和37)年、升形川に岩清水橋が完成し、ようやく陸の孤島から脱した。しかし住民たちは当時、岩津橋から200メートル余り下流に架かるJR陸羽西線の鮭川鉄橋を日常的に往来していた。保線用に枕木の間に板が敷かれており、待避所も3カ所あった。本来は通行禁止で、69年に鉄橋脇に歩道橋が完成するまで、人身事故が多かったという。

 同村岩清水の山科義男さん(84)は「67年に最後の人身事故を目撃した。2人が死傷し、それは悲惨な事故だった。私や妻も収穫した米を背負い、津谷の倉庫まで鉄橋を渡って運んだ」と振り返る。山科さんら住民は車の通行できる岩津橋建設を訴えた際、併せて歩道の設置も要望したという。現在は、舟下りの船頭を題材にした欄干のモニュメント「せんどう君」が、通行する人たちを見守っている。

2012/02/02掲載
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