やまがた橋物語

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鮭川編[1]

◆高坂橋(真室川)

高坂橋(真室川)の写真 鮭川の最上流部にあり、高坂集落を結ぶ高坂橋。かつては森林伐採などで車の往来が盛んだった=真室川町

 真室川町差首鍋の高坂集落にあり、最上流部に架かる。高坂ダムの建設、国有林の森林伐採でにぎわった集落の歴史を見つめてきた。

 高坂橋は、かつて丸太と柴を編んで作った“柴の橋”だった。大雨のたびに流されては住民総出で架け直した。地元の井上岩太郎さん(84)は「年に2、3回は流された。橋の幅は60センチほど。そりで堆肥を右岸の水田に運んだ」と子どものころを振り返る。

 林業の発展と共につり橋、木橋、鋼橋と、次々と架け替えられた。斎藤今朝治さん(81)は「つり橋が風で揺れると波打つようになる。これが面白くてワイヤにつかまって遊んだことを覚えている」。

 1963(昭和38)年から67(同42)年にかけ、約3キロ上流で高坂ダムが建設された際、橋のそばに飲食店がオープンするなど集落はにぎわった。左岸にはダム周辺からJR奥羽本線釜渕駅まで木材を運んだトロッコ列車「真室川森林軌道」の跡があり、往時をしのばせている。

 現在の橋は国道344号と町道を結ぶ全長53メートル、幅6メートルのコンクリート橋で2001年に完成した。斎藤さんは「幅が広く、車も擦れ違うことができる。親子3代の渡り初めも行い、集落挙げて完成を祝った」と振り返った。

2012/01/20掲載
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