やまがた橋物語

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丹生川編[9]

◆萱刈畑橋(尾花沢)

萱刈畑橋(尾花沢)の写真 徳良湖に開墾作業に行くため、正厳地区の若者たちが昔通った萱刈畑橋=尾花沢市

 尾花沢市の正厳と二藤袋を結ぶ「萱刈畑(かやかりばた)橋」(全長173メートル、幅8メートル)は1983(昭和58)年に完成した。冬は北風が強く吹くため、正厳地区から橋に向かう道路の西側約500メートルにわたって防雪柵が設置されている。

 昔、橋付近でかやぶき屋根に使うカヤを刈っていたためその名が付いたという。近くに住む西塚文男さん(81)は「昔は木橋で洪水のたびに流された」と思い出す。ダムが整備されるまでは、大雨が降ると水かさが増し、中州に取り残される人もいた。「集落の人が橋からロープを投げて助けていた」と西塚さん。市建設課によると、支柱がコンクリート製の先代の橋が完成した後は、橋が流される被害はなくなったという。西塚さんは同地区が風が強いのを利用して「木製のソリに子どもたちを乗せ、たこを上げて進んだりして遊んだ」と昔の遊びを思い出していた。

 橋は正厳地区の人が田畑を耕しに行くのに主に使われている。昭和30年代ごろには徳良湖周辺で大規模な開墾が行われ、正厳地区の20代の若者たちの多くがこの橋を通り、開墾作業に向かった。同地区から開墾作業に参加し、現在は二藤袋に住む押切栄三郎さん(83)もその一人だ。押切さんは「当時はブルドーザーなんてないので、クワで耕していった。徳良湖周辺には松林があり、根を掘り起こすのが大変だった」と振り返り、「毎朝4時ごろからの作業で、実家から歩いて現場まで行くのは今振り返れば大変だったが、みんな若かったし、一生懸命で当時は大変だと思わなかった」と穏やかに語った。

2009/07/16掲載
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