最上町の若宮、月楯両地区を結ぶ「下白川橋」は、町内の最上小国川に架かる橋の中で最も新しい。町中心部から最上西公園へと通じる町道若宮最上温泉線にあり、完成後は国道47号から下白川地区を通って町道を利用する大型車両の通行も格段に容易になった。
現在の下白川橋は、旧下白川橋の老朽化などに伴い、2008年11月、約20メートル下流側に完成した。長さ159メートル、幅10メートル。
近くの農業山口広好さん(60)=同町若宮=は「下白川地区は、橋で苦労した集落だった」と説明する。旧下白川橋ができる前は、川を挟んで対岸にある集落と田んぼを結ぶために、住民たちが丸太を架けたり、木製の橋を造ったりしていたという。「しかし大雨が降る度に、丸太や木製の橋は流されてしまった」と話す。
1976(昭和51)年に旧下白川橋が完成。しかし中央部で上下線が分かれる「Y字型橋」で、橋の幅は上下線とも3メートルと狭く、大型車両の通行や冬季の除雪作業が困難だった。下白川地区の区長で農業斉藤菊雄さん(63)=同町若宮=は「県外から来た観光バスが途中で立ち往生したこともあった」と振り返る。
大型トラクターなど重機を運搬する際も、迂回(うかい)路を通らなければならなかったが、現在の橋ができてからは集落から田んぼまで最短距離で運べるようになった。斉藤さんは「橋にはもう苦労することはない」と笑顔を見せた。
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