やまがた橋物語

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最上小国川編[2]

◆ゆけむり橋(最上)

ゆけむり橋(最上)の写真 県内でも珍しい新素材で建設された人道橋「ゆけむり橋」。ロードヒーティングを備え、冬も快適に通行できる=最上町

 最上町富沢の「湯の原橋」から200メートル下流に架かるのが人道橋の「ゆけむり橋」。すっきりとしたデザインで、橋全体が銀色に輝き赤倉温泉郷の景観にもマッチする。共同浴場を利用したり、会合で対岸を行き来する住民から重宝されている。

 かつては虹の橋上流に木橋が架かり、右岸と、左岸の共同浴場「村乃湯」を結ぶ“近道”として利用されていたが、大雨の度に流出。県の最上小国川治水対策事業に合わせ2003年12月、代わりに設置されたのがゆけむり橋だ。

 全長36メートル、幅は約3メートル。県内でも珍しい鉄筋を使わない新素材で建設されたのが特徴だ。新素材は従来のコンクリートと比べ5倍の強度を持ち、軽量で耐久性も高い。もちろん橋脚はない。温泉熱で温めた不凍液を、路面に埋設したパイプに巡回させるロードヒーティングも備えている。自転車やバイク、緊急車両を除き、一般車両の通行は禁止されている。

 周辺の最上小国川河川敷は、手で掘っただけでお湯がわき出ることから、温泉郷らしく立ち上る湯煙をイメージして名付けられた。橋のそばの阿部正治さん(70)=富沢、農業=は「雪が積もらない快適な橋だ。朝市などイベントのときは特に利用者が多い」と話す。共同浴場に向かう途中の大場ミチさん(77)=同、無職=も「冬も安心して歩ける」とにっこり。

 橋のたもとは休憩所になっており、ベンチ9台が並ぶ。川面から吹き寄せる涼しい風、静かなたたずまいの温泉郷。観光客や共同浴場の利用者にとって、絶好の憩いの場にもなっている。

2010/09/14掲載
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