やまがた橋物語

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乱川編[9]

◆万代大橋(天童)

万代大橋(天童)の写真 国道13号が延び交通量が多い万代大橋=天童市

 昼夜を問わず大型トラックや乗用車などが行き交う天童市の国道13号「万代大橋」。たもとにはグラウンドゴルフ場が整備され、橋を含めた周囲の景観は地元の象徴的な景色となっている。

 国土交通省東北地方整備局山形河川国道事務所によると、橋は上下線別々に開通した。上り線は1971(昭和46)年の完成で、全長255.9メートル、幅10.9メートル。一方、下り線は80年の完成で、全長257.2メートル、幅11.0メートルと、わずかながら長さと幅が異なる。

 「以前と比べて交通量は確実に増えている。経済だけでなく、人々の交流も盛んになっているのだろう」。近くに住む同市乱川、農業小座間三雄さん(86)は感慨深げに語る。「昔は物を運ぶのは貨物列車だけだった。すっかり自動車社会だ」と加える。

 グラウンドゴルフ場のある西側から東に万代大橋を見ると、右手に水晶山、左手に黒伏山が見える。現在はヒマワリやコスモスなどが周囲を覆う。小座間さんは「周辺では最近まで地区の運動会を開いていた。橋を含めた山や花々の景観は住民にとってなじみの風景だ」と語る。

 川にまつわる思い出も多い。1930年ごろはたびたびはんらんし、民家は水浸しになった。当時はくみ取り式のトイレで、雨が上がった後は、周囲がひどい臭気に覆われたという。家族だけでなく、親せきを呼んでの後始末。少年時代にはたくさんのカジカを捕って、家族に喜ばれもした。

 「水質だけでなく、昔とは川の流れまでまでも変わってしまった」と振り返る小座間さん。バイパスの開通によって新たに橋ができて約40年。時代とともに変化した周辺の情景は、住民たちの人生に数々の思い出を刻んだ。

2009/09/15掲載
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