やまがた橋物語

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乱川編[5]

◆猪野沢橋(東根)

猪野沢橋(東根)の写真 初秋の青空の下で全体的に白い猪野沢橋は目立つ=東根市 

 コンクリート製の「猪野沢橋」(全長78メートル)は、東根市猪野沢地区の西端にあり、1993年に架け替えられた。近年までこの道路は宮城県に抜ける計画があり、幅広い道路に合わせて乱川(みだれがわ)に架かる橋も設計された。

 「戦後しばらくは歩いたり自転車などで宮城県に抜けることができた」と同地区越倉集落会長の小山田毅さん(62)。すでに猪野沢地区の北側で、53年に国道48号に指定される道路が本県と宮城県を結んでいたが、同地区と宮城県の新川村(現在の仙台市青葉区新川)を結ぶ幅の広い新たな道路も計画されていた。

 その元となったのが小山田新道。「江戸時代は大庄屋だった先祖が、明治初めに私財で整備したことから小山田新道と名付けられた。新道の整備から数年後に県令三島通庸が関山街道を完成させたので、新道は使われなくなった」と小山田さんは話す。

 三島県令は関山街道を整備する前、人が実際に歩くと猪野沢から現在の仙台市熊ケ根地区までどちらのルートが早く到着するかを計った。小山田新道ルートは1人で歩いたが、関山ルートは何人もがリレーしたので当然、関山ルートが早く着くという結果になり整備が決まったという。

 1931(昭和6)年、県は沼沢と猪野沢の中間にコンクリート製の永久橋を架ける計画を両地区に打診。しかし、地区同士の協議がまとまらず、猪野沢地区の橋が、木橋から永久橋へと架け替えられた。それは今の橋より15メートルほど低い水面に近い場所に架けられていた。両岸には橋に続いた道が今も残る。

2009/09/08掲載
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