真室川の上流に架かるのが赤倉2号橋。度重なる洪水で何度も流失し、住民にとって橋の架設は水害との闘いでもあった。
現橋の前の橋は丸太2本に板を敷いた木橋。長さ約20メートル、幅1.5メートルほど。流されても再利用できるように、丸太の端は岸に固定したワイヤで結ばれていた。原木ナメコ栽培者や炭焼きの住民らが利用。橋の近くには廃校となった旧及位小中の股冬季分校がある。
近くの高橋秀則さん(52)=及位、自営業=は「子どものころ、大雨で木橋が流されると家に帰れず、親類の家によく泊めてもらった」。流失すると集落の住民らが総出で架設したといい「亡き祖母らが工事に携わった人たちをねぎらい、料理を振る舞っていた」。
1975(昭和50)年8月の水害で橋周辺の地形は一変。災害復旧工事と相まってこの年の秋、永久橋に架け替えられた。長さ36メートル、幅2.5メートル。白い欄干に青い橋桁で、周囲の自然景観にひときわ映えた。「車も通行できるようになった。上流には砂防ダムも建設され、安心して暮らすことができる」と高橋さん。
冬季間、この橋を含めた町道約200メートルの除排雪は高橋さんが受け持つ。雪深い山里も最近は雪解けが進み、赤倉2号橋の姿もくっきりと分かるようになってきた。
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