遊佐町北目にある西鳥海橋(長さ83.1メートル、幅12.5メートル)は、鳥海山を一望できる絶好の位置にある。町北部と中心部、酒田市を結ぶ生活道路として大きな役割を果たすだけでなく、晴れた日には格好の撮影スポットともなっている。
西鳥海橋が開通したのは1991年11月。同町菅里地区の国道7号につながる国道345号の整備に伴い完成した鋼製の橋だ。橋が架かる以前、月光川左岸の北目蟻塚や菅里菅野の住民は通勤・通学の際、1キロほど北の菅里橋か約700メートル南の出戸橋を渡らなければならなかった。
曽根原庸蔵さん(81)=菅野=は「この周辺は吹雪もすごいから、冬季間に子どもたちが遠回りして対岸の学校に向かう姿はかわいそうだった。橋ができて本当に便利になった」と話す。待望の345号開通と新しい橋の完成を、住民らはことのほか喜んだ。開通式の渡り初めでは、3世帯の3世代家族が渡って完成を祝った。今では住民にとって、橋はなくてはならない存在だ。
快晴の日にはよく、橋の上から四季折々の鳥海山をカメラに収める人の姿を見かけるという。自営業菅原紀夫さん(70)=蟻塚=は「普段見慣れていても、天気の良い日に鳥海山を見ると感動してしまう。橋は最高の出羽富士を見ることができる絶好の場所だよ」と語った。
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