やまがた橋物語

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須川編第2部[16]

◆庄ノ沢橋(上山)

庄ノ沢橋(上山)の写真 緑に囲まれた須川を渡る不平林道の庄ノ沢橋=上山市

 須川に沿うように延びる県道萱平河崎線を東に進むと、大門地区が見えてくる。庄ノ沢橋は、地区集落の東側から延びる不平(ふびら)林道に架けられた全長十八メートルの小さな橋だ。

 林道の起点に近い場所に住む木村盛雄さん(69)は「先代の庄ノ沢橋は木橋。道は昔あった不平鉱山に通じていた」と話す。今では地図にも同鉱山の記載はない。一九五三(昭和二十八)年九月、国の工業技術院地質調査所が鉱床などの調査を行った。その記録によると、鉱山の操業は明治末期から大正初期までの六、七年間と、戦前の一九四〇年前後のごく短期間で、銅鉱石を産出したという。木村さんの祖父は鉱山で働いており、庄ノ沢橋を行き来していた。

 現在の橋は、林業が盛んだったことから、一九六二年に架け替えられた。木造が主流だった時代に強固なコンクリートで造られているのは、木材を満載したトラックの通行に耐える構造にしたためだ。

 橋のたもとで、冬に切り出した杉を集積し、搬出する作業が行われていた。岩手県内の工場でパルプにする原料だという。杉の原木の価格は、橋が架けられた時代とは比べものにならないほど安くなり、トラックが日に何度も行き交う光景は見られなくなった。

 林道が通る不平山一帯は大門地区の共有地が多い。「七月には地区民で林道沿いの草刈りをするんだ。庄ノ沢橋の周辺も入念にね。みんなの道だから」と木村さんは笑顔で語っていた。

2008/05/30掲載
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