やまがた橋物語

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須川編第2部[10]

◆楢下長渕橋(上山)

楢下長渕橋(上山)の写真 新緑の中を宮城県七ケ宿町に向かって延びる楢下バイパスの楢下長渕橋=上山市

 江戸時代に参勤交代の宿場町としてにぎわい、古民家も残る歴史情緒豊かな上山市の楢下地区。二〇〇五年、念願だった幅十二メートルの主要地方道上山七ケ宿線「楢下バイパス」が完成した。バイパスは須川を二回またぐことになり、新たに二つ架けられた橋の一つが、楢下長渕橋だ。

 市中心部と宮城県七ケ宿町を結び、一九九五年には「歴史国道」にも指定された楢下の旧羽州街道。カーブが連続し幅も狭いため、県は九六年から広域幹線道路として改良調査に着手した。地元では検討過程で幾つかルート案があったが、地区南側にトンネルを通す案や、旧街道を拡幅する案は早い段階で却下され、九九年に地区北東側を三キロにわたり迂回(うかい)する半円形ルートで道路建設が始まった。一方、バイパス沿いに「道の駅」を整備する構想もあったが実現しなかったという。「観光地として開発し過ぎると楢下の魅力が壊れる。通過車両に邪魔されないでゆっくり楢下を見てもらうのが主眼」-当時の議論を知る住民が解説してくれた。

 バイパスの西端にできた楢下長渕橋は全長六八・五メートルの鋼鉄製。名称は住民から公募し、複数の応募があった「長渕」が採用された。もともと楢下を流れる須川は川床に岩盤が露出し、水の流れがよどむ渕(ふち)が七カ所あったといい、橋の辺りを長渕と呼んだという。タケカツ重機工業の武田克哉社長(69)は、地区会長だった〇五年のバイパス完成時に、住民挙げて三百人規模の祝賀会を催した。「仕事上もバイパス開通で随分助かってますよ。おかげで今は集落内が静かになり寂しいぐらいですね」

2008/05/22掲載
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