やまがた橋物語

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須川編第1部[15]

◆龍王橋(上山)

龍王橋(上山)の写真 コンクリート製の二連アーチの龍王橋。優美な姿は多くの人々の注目を集めたという=上山市金瓶

 上山市金瓶地区にある「龍王橋」。歌人斎藤茂吉が愛した古里に架かる二連アーチの橋から東側に目を向けると、雄大な蔵王連峰がそびえる。そのためか、橋の名称は「龍山」と「蔵王」にちなんで付けられたという。

 龍王橋の歴史は古く、上山-山形間の産業道路の整備とともに、一九三五(昭和十)年に架橋。上山市立図書館の片桐繁雄館長(74)によると、以前は泉川地区から上山市街地に入る上山東街道があったが、道幅が狭い上、蔵王川に架かる木の橋が大雨で流されることもあり、道路整備が進められたという。

 全長七二・五メートル。須川から高さ十五メートルほどのところにある橋を支える橋脚はコンクリート製の二連アーチ。当時としては珍しい、巨大で優美な橋脚の龍王橋は、多くの人の注目を集めた。「地区民が喜んだだけでなく、ほかのところからも見物人が来るほどだったと聞いている」と片桐館長。

 金瓶老人クラブの元会長で、近くに住む金沢長治郎さん(82)は架橋時からの様子を知る一人。「開通時は盛大に祝った記憶がある」と当時の様子を思い起こし、「大きな橋は珍しい時代だったから、河原で工事の様子を見て、その巨大さに驚き、感動したなあ」と懐かしそうに振り返った。

 上山と山形の両市街地を結ぶ旧国道13号上にあるだけに、今も昔も交通量は多い。そしてまた、優美な橋脚も変わらぬ姿で人々の往来を支え続けている。

2008/03/26掲載
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