やまがた橋物語

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置賜白川編[2]

◆上白川橋(長井、飯豊)

上白川橋(長井、飯豊)の写真 日が暮れて、街灯に浮かび上がる上白川橋

 「クー、クー」と、群れを成すハクチョウが橋の上空で鳴き声を響かせた。飯豊町黒沢と長井市歌丸とをつなぐ「上白川橋」は、同町の白鳥飛来地「めざみすわんぱーく」の南東に位置する。

 橋は、一九八三(昭和五十八)年に完成。長さ二八一・一メートル、全幅が六・五メートルで、名前は公募によって決められた。現在は「めざみすわんぱーく」を訪れる人や、同町北部の人が公立置賜病院や米沢・南陽方面に行くための最短ルートとして利用され、交通量も多い。

 かつては渡船場が設けられ、多くの人が行き来した。長井市歌丸には裕福な地主が多く住んでいたほか、祈祷を行う寺、医者などがおり、飯豊町内からの利用者も多かったという。

 船賃にまつわるエピソードも残る。大地主が川を渡る際に当時二銭ほどだった船賃を忘れたため、こぎ手に借金を申し出た。「自分がお金を借りるときは、いつも借用書を書いている。だんなさまにも一度借用書を書いてほしい」というのがこぎ手の返事。大地主は、しぶしぶ書いたが、借用書はその後、こぎ手の家宝となったという。両地区のつながりが密だったことも、橋の整備につながった。

 白鳥の心和む鳴き声が響き、夜には街灯の温かな光が橋を浮かび上がらせる穏やかな光景が広がるが、周辺は、九四年二月の猛吹雪で、数多くの車が立ち往生した場所でもある。今は、防雪柵がドライバーたちを守っている。

2008/01/22掲載
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