西川町の月岡、本道寺の両地区を結ぶ「ふれあい橋」(全長九十一メートル)は、二〇〇二年の春に完成した歩道橋だ。橋が架かる一帯は釣りのスポットで、住民のほかに釣り人も行き交う。
ふれあい橋が架けられるまで両地区を結んでいたのは、同橋の上流約二百メートルに架けられた月岡橋だけだった。両地区は、人口の減少が顕著になった三十年ほど前からは合同で盆踊りを行うなど、交流が以前にも増して深まっていた。より行き来しやすいように、次第に新しい橋を望む声が大きくなった。
このため町が県と協議し、県中山間地域総合整備事業として新橋の架設が実現した。「建設が決まると地区の人たちの関心は名前をどうするかだった」と本道寺町内会長の山内正名夫さん(75)。「両地区のさらなる親交への願いを込めるとともに、橋の東に交流施設ふれあい会館があったこともあり、ふれあい橋と名付けられた」と話す。
「盆踊りの時は、橋の欄干にずらっと下げたちょうちんが川の流れに映り本当にきれいだよ」と山内さん。打ち上げ花火が夜空を焦がす。月岡と本道寺の人口は計約百三十人だが、里帰りした人で何倍にも増え、ふれあい橋のにぎわいもひとしおだという。
橋周辺は本道寺地区会が「本道寺釣り道場」と命名した渓流釣りの名所だ。県内はもとより県外から訪れる釣りファンが多い。この時季、橋の近くの河川敷では山菜を採る人の姿も見られる。
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