やまがた橋物語

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最上川第6部[8]

◆赤崩橋(米沢)

赤崩橋(米沢)の写真 地域住民の生活路として重宝されている赤崩橋

 松川(最上川)上流部の米沢市赤崩(あかくずれ)地区にある赤崩橋は、地域住民にとって貴重な生活道路だ。初めて永久橋が架けられたときには、住民が開通を待ちきれずに渡ってしまい、固まる前のコンクリートに足跡を残してしまったというエピソードも伝わっている。

 現在の橋は、永久橋として二代目で、一九九三年に完成。長さ九十二メートル、幅五メートル。近くに住む鈴木仁さん(77)は「昔は半分に切った丸太を架けただけの簡単な橋だった」と振り返る。その後、丸太の上に杉の皮をかぶせて土を盛った橋、さらに木橋と生まれ変わった。

 海老ケ沢大橋が開通する一九八八(昭和六十三)年よりもっと前は、下流部にある海老ケ沢橋近くの集落の住民たちも遠回りし、より幅の広い赤崩橋で荷馬車を渡したという。「住民にとってなくてはならない橋だった」と近くの菊地隆さん(80)。

 松川は、これまで幾度となくはんらんし、川の姿を変えた。橋の流失は珍しくなく、住民はその都度、橋を架け替えた。

 橋のたもとでは現在、染色家の山岸幸一さん(61)が草木染の研究所を構えている。紅花の栽培から染色、機織りまで一人でこなす山岸さんは「この辺りは、松川が上流から養分を運んできたおかげで、土地が肥えている。川風も織物にとって適度な湿気をもたらす」と話す。

 はんらんで何本もの橋を流してきた松川の流れは、今は周辺の土地に豊かな恵みをもたらしている。

2007/11/12掲載
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